春になると、動物病院ではフィラリア予防についてのご相談が増えてきます。
「毎年予防しているから今年は薬だけで大丈夫?」「事前検査は本当に必要なの?」「室内中心の生活だけど感染する可能性はある?」このような疑問を持つ飼い主様も多いのではないでしょうか。
フィラリア予防は、愛犬の健康を守るうえでとても大切な予防のひとつです。ただし、予防薬は「すでに感染していないこと」を前提に使用するお薬でもあります。そのため、そのため、多くの動物病院では、予防を始める前にフィラリア検査を必ず受けていただいています。
また、この時期はフィラリアの確認だけでなく、全身の健康状態を見直すよい機会でもあります。
今回は、フィラリア予防の前に検査が必要とされる理由と、春にあわせて確認しておきたい健康チェックについてご紹介します。

■目次
フィラリア症は、蚊を介してうつる寄生虫の病気です。感染すると、虫が心臓や肺の血管に寄生し、心臓や呼吸器に大きな負担をかけてしまいます。
現在使われているフィラリア予防薬は、安全性が高く、予防効果にも優れています。ただし、これらのお薬は「フィラリアに感染していないこと」を前提に使用するものです。
というのも、すでに感染していてミクロフィラリア(フィラリアの幼虫)が体内にいる犬に予防薬を投与すると、まれにアナフィラキシーショックなどの重い反応を起こすことがあります。
予防薬を安心して使うためにも、投薬前に感染していないことを検査で確認しておくことが大切です。
また「室内で過ごすことが多いから感染しないのでは」と思われることもありますが、蚊は室内にも入り込みます。短時間の散歩やベランダに出るだけでも刺される可能性があるため、感染リスクがまったくないとは言い切れません。
こうした理由から、毎年の検査で感染していないことを確認したうえで、その年の予防を始める、という流れが一般的になっています。
フィラリア検査を行う時期は、同時に全身の健康状態を見直せるよい機会でもあります。この時期に一緒に確認しておきたい項目として、主に次の3つがあります。
① 血液検査
まず大切なのが血液検査です。フィラリア検査では、血液を調べて感染の有無を確認します。
このとき、希望に応じて肝臓や腎臓の働きなども一緒に確認することができます。若い犬でも「今年の基準値」となるデータを残しておくことには大きな意味があります。健康なときの数値が分かっていると、将来体調の変化があったときに比較しやすくなるためです。
また、予防薬を安全に使用できる状態かどうかを確認する意味でも、血液検査は重要な情報になります。
② 便検査
便検査では、消化管に寄生する寄生虫の有無を確認します。
寄生虫に感染すると、下痢や軟便になるイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実際には見た目が正常な便でも寄生虫が見つかることがあります。犬では回虫や鞭虫、猫では回虫や条虫などが代表的です。
▶︎回虫症についてはこちらで解説しています
▶︎鞭虫症についてはこちらで解説しています
▶︎条虫症についてはこちらで解説しています
寄生虫は気づかないうちに感染していることも多いため、症状が出る前に見つけておけると治療もスムーズです。
③ 心雑音チェック
もうひとつ大切なのが、心臓のチェックです。
診察では、獣医師が聴診器を使って心臓の音を確認します。その際にチェックしているのが「心雑音」と呼ばれる異常な音です。心雑音は、心臓の弁や血流に変化があるときに聞こえることがある異常な音です。初期は症状が目立たないことも多く、飼い主様が気づくというより、診察時の聴診で初めて見つかることが多い所見です。
もし心雑音を指摘された場合は、必要に応じて心臓の精密検査(心エコー検査など)を行い、どのような変化が起きているのかを詳しく確認していきます。早い段階で異常に気づくことができれば、その後の経過観察や治療の判断にもつなげやすくなります。
検査についてご説明すると、次のようなご質問をいただくことがあります。
「血液検査だけでも大丈夫ですか?」
「便検査は毎年必要ですか?」
「心臓のチェックは、症状がなくても受けたほうがいいですか?」
こうした検査は、必ず毎回すべて行わなければならないというものではありません。
必要な検査の内容は、愛犬の年齢や生活環境、これまでの病歴、現在の健康状態によって変わってきます。
たとえば、若くて元気があり、室内で過ごすことが多い犬では、まずフィラリア検査を基本にしながら、必要に応じて便検査や身体チェックなどを組み合わせて確認していくことがあります。
一方で、シニア犬や持病のある犬では、血液検査を含めた全身の健康チェックもあわせて行うことで、より安心につながります。
大切なのは「全部やるか、やらないか」ではなく、その子にとって今どこまで確認しておくとよいかを考えることです。動物病院では、こうした背景をふまえながら、飼い主様と一緒にその子に合った検査内容を考えていきます。
フィラリア予防というと「薬を飲ませること」が目的のように感じるかもしれません。
ただ実際には、この時期の受診は、年に一度の健康状態を見直すよい機会でもあります。体重の変化や心臓の音、皮膚の状態、口の中の様子など、日常の中では気づきにくい変化を確認することで、病気の早期発見につながることもあります。
動物病院は「病気になってから行く場所」というだけでなく、今の健康状態を確認し、これからの1年を安心して過ごすための場所でもあります。
春の予防シーズンを、愛犬の体を見直すきっかけとしてぜひ活用してみてください。
当院では、3月1日〜6月末日までの期間、フィラリア検査と健康診断をあわせて受けていただける「健康診断キャンペーン」を実施しています。
子犬からシニア犬まで、それぞれの年齢や体の状態に合わせて選びやすいよう、3種類の検査コースをご用意しています。飼い主様のご希望や愛犬の年齢、生活環境もふまえながら、その子に合った検査内容をご提案していますので、詳しくはスタッフまでお気軽にお声がけください。
▶︎「フィアリアキャンペーン」の詳細についてはこちらをご覧ください
フィラリア予防は、愛犬の健康を守るうえで欠かせない予防のひとつです。そして、その予防を安心して始めるためには、事前の検査で感染していないことを確認しておくことが重要です。
また、春の受診はフィラリアの確認だけでなく、血液検査や便検査、心臓のチェックなどを通して、全身の健康状態を見直すよい機会にもなります。
「検査は本当に必要?」「うちの子はどこまで調べたほうがいい?」と迷われたときは、どうぞお気軽に光が丘動物病院グループまでご相談ください。愛犬の年齢や生活スタイルに合わせて、無理のない予防と健康チェックをご提案いたします。
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最終更新:2026年3月