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犬と猫の体表腫瘤について|日々のスキンシップで早期発見

2024.01.26
犬の病気猫の病気身近な話題

体表腫瘤とは、名前の通り体表にできる腫瘤(できもの)です。
場所と大きさによっては治療の必要がない場合もありますが、なかには肥満細胞種や乳腺腫瘍などのような、早くに治療しないと命に関わる悪性腫瘍もあるため、早期の診断が重要です。

おうちの犬や猫に対しては普段からスキンシップをして、もし体表腫瘤が見られたら早めに受診するようにしてください。

今回は犬と猫の体表腫瘤について、症状や治療方法、予防方法などを詳しく解説します。

■目次
1.原因|良性腫瘍、悪性腫瘍、炎症や膿疱、粉瘤など
2.症状|皮膚にできるしこり
3.診断|針吸引細胞診や組織検査で種類を明らかにする
4.治療|悪性の場合は手術で切除、それ以外は経過観察も
5.予防|普段からスキンシップをして早期発見を

 

原因|良性腫瘍、悪性腫瘍、炎症や膿疱、粉瘤など


体表腫瘤のほとんどは、皮膚にできる良性または悪性の腫瘍です。

良性腫瘍
乳頭腫、皮脂腺腫、脂肪腫、組織球腫などがあります。
皮脂腺腫と脂肪腫は高齢で多く、組織球腫は若齢で多く発生する傾向にあります。

悪性腫瘍
肥満細胞腫、軟部組織肉腫、悪性黒色腫、扁平上皮癌、リンパ腫などがあり、主に中高齢で発生が増えます。

 

乳腺腫瘍も体表(乳房の近く)にできる腫瘍の1つで、犬も猫も避妊をしていない中高齢のメスで発生が多く見られます。また乳腺腫瘍は犬では半分が、猫では90%が悪性とされています。

腫瘍以外では、皮膚の炎症、膿疱、粉瘤などもあります。

 

症状|皮膚にできるしこり


体表腫瘤の症状は皮膚にできる「しこり」です。
原因によって1つのみの場合もあれば複数できることもあり、赤く腫れることもあれば、大きなほくろのようなものもあり、色や大きさも様々です。

また、場所と大きさによっては歩きにくくなるなど、日常生活に支障をきたすこともあります。

 

診断|針吸引細胞診や組織検査で種類を明らかにする


針を刺して吸引した細胞を顕微鏡で観察する「針吸引細胞診(FNA)」を行います
有効な細胞が取れないこともあったり、FNAだけでは確定診断できなかったりと欠点もありますが、すぐに切除した方がいいのかを判断する材料になります。
なお、FNAは院内で手軽にできる検査です。

FNAで判断できなかった場合や、外見や症状から悪性腫瘍の可能性が高いと考えられる場合は、麻酔をかけて腫瘤を切除し、組織検査にかけます。

 

治療|悪性の場合は手術で切除、それ以外は経過観察も


腫瘤の外観や犬や猫の状態、検査の結果からすぐに切除する必要がないと考えられる場合は、経過を観察することもあります。
ただし良性腫瘍であっても、歩行など日常生活に支障がある場合は、手術で切除することもあります。

悪性腫瘍の場合は、麻酔をかけて腫瘍を切除します。このとき、術前検査をして転移がないかなども確認します。

炎症などが原因の場合は、それに対する治療を行います。

 

予防|普段からスキンシップをして早期発見を


体表腫瘤はその種類によって経過を見るべきか、治療をするべきかが異なります。
犬や猫は体表が被毛に覆われているため発見が遅れてしまうこともありますが、普段からスキンシップして、早期発見できるよう心がけましょう

また、体表腫瘤は診断が重要ですので、愛犬や愛猫の体表に腫瘤を見つけた場合は、お早めに受診するようにしてください。

 

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