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犬と猫の腹腔内腫瘤について|基本は無症状 大きくなると触れることも

2023.11.15
犬の病気猫の病気

腹腔内腫瘤は腹腔内にできる“できもの”で、腫瘍、膿瘍、炎症性肉芽腫などがあります。
犬猫の様子から早期に発見することは難しく、発見時にはすでに重篤な状態になっていることも少なくありません。

破裂して出血を起こすと出血性ショックで亡くなってしまうこともありますが、早期に発見できれば完全に取り去ることも可能です
犬猫の腹腔内腫瘤の早期発見には、画像診断も含め定期的な健康診断が重要です。
今回は、犬と猫の腹腔内腫瘤について解説していきます。

■目次
1.原因|腫瘍、炎症、過形成など多岐にわたる
2.症状|基本は無症状。大きくなると触れることも
3.診断|レントゲン検査や超音波検査など画像診断で発見できる
4.治療|基本は摘出と病理検査
5.予防|早期発見が何より重要

原因|腫瘍、炎症、過形成など多岐にわたる


腫瘤とは、できもの、コブ、腫れ、しこりなどの総称で、腫瘍性病変非腫瘍性病変に分けられます。
腹腔内には、胃、小腸、大腸、肝臓、脾臓、膵臓、腎臓、膀胱、子宮、卵巣、腹腔内陰睾(あれば)、前立腺など、さまざまな臓器があり、どの臓器でも腫瘍が発生する可能性があります。
腫瘍は一般的に、加齢とともに発生が増える傾向にあるため、中高齢の犬猫は特に注意が必要でしょう

腫瘍のほかには、腹腔内の膿瘍、手術後の感染を原因とする感染性・炎症性の病変や、手術時に血管を縛ったり臓器や腹膜などを縫合したりするのに使用した縫合糸に体が反応して起こる炎症性肉芽腫などがあります。

症状|基本は無症状。大きくなると触れることも


大きさによってはおなかに触ったときにコブのようなものを感じることもあります。
腫瘤が消化管を圧迫すると嘔吐下痢排便困難などといった消化器症状を、泌尿器を圧迫すると排尿困難を起こすこともあります。

元気や食欲が低下することもありますが、腹腔内腫瘤に特有の症状はなく、末期になるまでほとんどが無症状です

診断|レントゲン検査や超音波検査など画像診断で発見できる


診察時に触診でおなかに触ったときに腫瘤を発見できることもありますが、位置や大きさによっては触診で発見するのは困難な場合もあります

レントゲン検査や超音波検査は、おなかの中の腫瘤の早期発見に役立ちます

発見された腫瘤が腫瘍なのか、腫瘍だとしたら悪性なのか良性なのかを診断するには、手術で全部または一部を切除した組織を病理検査にかける必要があります。

治療|基本は摘出と病理検査


腹腔内腫瘤が発見された場合は、可能な限り手術での摘出を試みます
術後は摘出した臓器を病理検査に提出し、その結果から後の治療プランを検討します。

予防|早期発見が何より重要


原因が多岐にわたるため、単一の予防法がありません
腹腔内腫瘤は目に見えず症状も出にくいため早期発見が難しい病気ですが、悪性腫瘍であっても転移がなく単独で発生し、完全に摘出することができれば、完治が望めます。
早期発見のためには、一見健康そうに見えても、定期的に健康診断をすることが重要でしょう。

なお、ご家庭でおなかをもんで腫瘤の有無を調べることは、万が一大きな腹腔内腫瘤があった場合、破裂する危険性もあるため、お勧めできません。

 

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・腫瘍の治療

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