副腎疾患は中高齢のフェレットによく見られる病気です。
副腎とは腎臓の近くにある左右1対の小さな臓器で、体の状態を調節するさまざまなホルモンを分泌しています。
フェレットの副腎疾患では、副腎から性ホルモンが大量に分泌されることでさまざまな障害を起こします。
副腎疾患の原因は、副腎の過形成や腫瘍です。
遺伝的な要因と性成熟前の不妊手術の両方が大きく関与していると考えられています。
どの年齢でも発生しますが、春から夏にかけての発情期での発生が多いようです。
はじめに見られる症状は、左右対称性の脱毛です。
脱毛は尻尾から始まることが多く、徐々に背中やお腹に沿って頭の方に広がり、最終的には手足や顔を残してすべての毛が抜け落ちます。
性ホルモンが過剰分泌されるため、メスでは外陰部が腫脹して粘液が出る、乳腺が張って乳頭が目立つなどの症状が見られます。
メスの長期的な性ホルモンの影響は造血障害を引き起こし、貧血に陥るケースもあります。
一方で、オスでは去勢をしたにもかかわらず前立腺肥大から排尿障害に至る、攻撃性が増加する、尿でのマーキング行動をするなど、性ホルモンの影響を感じさせる行動異常が見られます。
体臭がキツくなる場合もあるようです。
症状から副腎疾患が疑われた場合は、超音波検査で副腎の大きさを確認します。
ホルモンの過剰分泌は血液検査で確認できます。
外科手術で直接副腎の大きさを確認する場合もあります。
また、診断的治療といって、治療への反応を診断に活かす場合もあります。
ただし、フェレットの副腎疾患はゆっくりと進行するケースも多いため、疑いがあっても治療をせずに経過を見ることも少なくありません。
外科手術で副腎を摘出する方法と、薬による内科治療があります。
副腎は2つあるため、片方のみの異常であれば全部を摘出します。
しかしそれが困難な場合は、部分的に切除し、副腎の総量を減らします。
内科治療では性ホルモンの合成を阻害する薬などを投与します。
ただし、治療の開始直後に一時的に症状が悪化したり、症状が改善するのに数ヶ月かかったりすることもあります。
内科治療は生涯にわたって続ける必要があります。
明確な原因がわかっていないため、これをすれば大丈夫というものはありません。
ただし、性成熟が完了していない時期の早すぎる避妊や去勢が副腎に影響を与えることもあるとも言われているため、避妊や去勢の時期については獣医師とよく相談しましょう。
また、軽度の段階であれば内科治療によく反応すると言われていますので、疑われる場合は早めに受診しましょう。
定期検査も早期発見に有効です。
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フェレットの副腎疾患についてはこちらのページでも解説しています
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<参考文献>
N J Shoemaker, M Schuurmans, H Moorman, J T Lumeij. Correlation between age at neutering and age at onset of hyperadrenocorticism in ferrets. J Am Vet Med Assoc. 2000 Jan 15;216(2):195-7.
V Bakthavatchalu, S Muthupalani, R P Marini, J G Fox. Endocrinopathy and Aging in Ferrets. Vet Pathol. 2016 Mar;53(2):349-65.