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夏に急増!犬・猫の皮膚トラブルを防ぐには

2025.07.11
犬の病気猫の病気

梅雨が明け、気温も湿度もぐっと上がる夏は、犬や猫の皮膚トラブルが急増する季節です。
「かゆがっているけど、季節のせいかな」「ちょっと赤いけど、そのうち治るかも」と思っているうちに、症状が悪化してしまうケースも少なくありません。

特に皮膚の不調は、最初は見た目の小さな変化から始まりますが、かゆみや赤みを放っておくと、感染や慢性化につながることもあります。皮膚疾患は再発しやすく、早めの対応と正しいケアがとても大切です。

今回は、夏に多い皮膚トラブルの原因や注意したい症状、動物病院での診察内容、自宅でできる対策などを詳しく解説します。

■目次

 

夏に皮膚トラブルが起こりやすくなる理由


夏に皮膚トラブルが増える大きな理由は、「高温多湿」な環境にあります。湿気と熱が混ざり合った環境は、細菌や真菌(カビ)が繁殖する絶好の条件です。

犬や猫の皮膚には、常在菌と呼ばれる細菌が普段から存在していますが、湿気が多いとそのバランスが崩れ、膿皮症やマラセチア皮膚炎などの病気を引き起こすことがあります。

▼膿皮症についてはこちらで解説しています

▼マラセチア皮膚炎についてはこちらで解説しています

また、ノミやマダニといった外部寄生虫も夏場に活発になります。刺された部位をかき壊すことで皮膚が傷つき、二次感染を起こすケースも少なくありません。

▼ノミアレルギーについてはこちらで解説しています

▼マダニ感染症についてはこちらで解説しています

さらに、犬や猫は人間と違い全身から汗をかくことができません。そのため、脇の下や首元、内股、足先など、空気がこもりやすい部位が蒸れてしまい、湿疹や炎症の温床になってしまいます。

シャンプーやグルーミングの頻度が増える夏ですが、洗い残しや乾かし不足も要注意です。皮膚に水分が残ったままだと、雑菌が繁殖しやすくなり、皮膚炎のリスクを高めてしまいます

 

こんな症状が見られたら早めの受診を


以下のような症状は皮膚トラブルのサインです。少しでも気になることがあれば、早めに動物病院を受診しましょう。

体を頻繁にかく、なめる、こする
皮膚に赤み、フケ、ブツブツ、カサブタなどが見られる
毛が抜けて地肌が見えている、脱毛範囲が広がっている

皮膚のかゆみは、犬や猫にとって非常にストレスとなる症状です。かゆみを感じるとかいたり舐めたりしますが、これによって皮膚に傷がつき、炎症が悪化して、さらにかゆみが強くなるという悪循環に陥ることがあります。

この悪循環が進むと、皮膚は慢性的に赤くなり、厚く黒ずむ、においが強くなるなど、症状が複雑化してしまいます。こうした状態になる前に、皮膚の異常は、迷わず獣医師にご相談ください。

 

動物病院でできること|皮膚の診察と治療


皮膚トラブルの原因には、細菌感染・真菌(カビ)感染・外部寄生虫・アレルギー・ホルモン異常・免疫疾患など多くの要因があります。
そのため、見た目だけで判断するのではなく、検査を通して原因を明らかにすることが重要です。

まず視診・問診を行い、必要に応じて皮膚表面や毛根を採取し、顕微鏡で確認します。また、症状によっては血液検査や培養検査を実施し、複数の原因を見極めたうえで、最適な治療方針を組み立てます。
症状に応じて、以下のような治療を行います。

・抗生剤や抗真菌薬などの外用薬・内服薬
・抗ヒスタミン薬・ステロイドなどのかゆみを抑える薬
・犬猫専用の薬用シャンプーによるスキンケア(シャンプー療法)
・アレルギーの可能性がある場合は食事療法の提案

さらに、再発防止のためには生活環境の見直しや体質改善へのアプローチも必要です。

 

光が丘動物病院の皮膚科診療の強み


当院では、複数の獣医師が連携し、それぞれの得意分野を活かして、飼い主様と愛犬・愛猫にとって最適な診療を提供できる体制を整えています。

また、診療では「インフォームドコンセント(説明と同意)」を大切にしており、検査や治療方針についても、専門用語を避け、わかりやすく丁寧にご説明いたします。ご不安なこと、少しでも疑問に思うことがあれば、お気軽にご相談ください。

皮膚症例はこちらからご覧いただけます

 

ご家庭でできる皮膚ケアと予防法


皮膚トラブルを予防するには、毎日の生活の中でのちょっとした工夫がとても大切です。以下のポイントを意識してみてください。

1. シャンプーは「頻度」と「やり方」が大事
犬猫専用の低刺激シャンプーを使い、月に1〜2回を目安に行いましょう。洗い残しや乾かし不足は皮膚トラブルの原因になるため、しっかりすすぎ、皮膚まで丁寧に乾かすことが大切です。人用のシャンプーは刺激が強いため、使用は避けてください。

2. こまめなブラッシングで通気性を保つ
被毛の通気性を保ち、蒸れを防ぐために、日常的なブラッシングを習慣にしましょう。抜け毛やもつれを取り除くだけでなく、皮膚の異常に早く気づくきっかけにもなります。

3. 温度・湿度管理で快適な環境を
夏場は、室内の温度を25〜28℃、湿度を50〜60%に保つのが理想的です。エアコンや除湿機を活用して、皮膚にやさしい環境を整えましょう。また、ベッドやタオル類もこまめに洗濯し、清潔を保つことが大切です。

4. ノミ・マダニ対策は通年で
ノミ・マダニの予防も皮膚トラブル対策として欠かせません。室内飼育であっても感染のリスクはあるため、月1回の予防薬を1年を通じて継続しましょう。

日々の小さな変化に気づくことが、皮膚トラブルの早期発見・早期治療につながります。
愛犬・愛猫が「かゆそうにしている」「同じ場所をよく舐める」「フケや赤みが増えてきた」「ニオイが気になる」など、気になる症状が見られたときは、自己判断せず、できるだけ早く動物病院へご相談ください。

▼ノミ・マダニ予防についてはこちらで解説しています

 

まとめ


犬や猫の皮膚は、私たちが思っている以上にデリケートです。とくに夏の暑さや湿気、寄生虫の増加により、皮膚炎や湿疹、かゆみといったトラブルが急増します。

だからこそ、「ちょっとかゆがっているかも」と感じたそのタイミングが、とても大切なのです。小さなことでも構いません。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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