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犬と猫の夏バテ予防|暑さに負けない体調管理と食欲不振対策

2025.06.13
犬の病気猫の病気

「最近ごはんの食いつきが悪い」「なんとなく元気がない気がする…」
そんな変化が、暑くなってきたタイミングで見られたら、犬や猫が“夏バテ”しているのかもしれません。

人間と同じように、犬や猫も急な暑さに体がついていかず、体調を崩すことがあります。特に、食欲不振や元気の低下は、夏に多くみられるお悩みのひとつです。
放っておくと、熱中症などの命に関わる病気に進行してしまうケースもあるため、早めの対策がとても大切です。

今回は、夏バテのサインやご家庭でできる対策、病院でのケアについてご紹介します。

■目次

 

犬や猫の夏バテでよく見られる症状とは


犬や猫は人より体温が高く、暑さがとても苦手です。
気温が25℃(短頭種では20℃)を超えると熱中症のリスクが高まり、人が快適に感じる室温でも、犬や猫には暑すぎることがあります。

特に以下のような子たちは、暑さの影響を受けやすいため注意が必要です。

・短頭種(パグ、フレンチブルドッグ、ペキニーズ、ペルシャ猫など)
・長毛種(ポメラニアン、ノルウェージャンなど)
・子犬・子猫や高齢の子
・肥満傾向の子
・心臓や腎臓などに持病がある子

また、「夏バテかな?」と思っていたら、実は熱中症だったというケースも少なくありません。熱中症は進行が早く、初期症状は夏バテと区別がつきにくいため注意が必要です。

以下のような症状が見られたら、夏バテや熱中症を疑ってみてください。

・元気がない
・食欲が落ちた
・嘔吐・下痢
・体が熱い
・呼吸が荒くなる
・ぐったりして動かない
・舌の色が赤黒い
・黒くてドロッとした便が出る

特にぐったりして動かない、舌の色が赤黒い、黒い便は重度の熱中症サインです。命に関わる危険があるため、迷わずすぐに動物病院を受診してください。

▼犬と猫の熱中症についてはこちらで解説しています

 

また、なんとなく元気がない、食欲が落ちたという症状でも、数日続くようなら体の不調が隠れているかもしれません。早めに動物病院に相談することで、深刻な病気を防げることもあります。

 

ご家庭でできる夏バテ対策


犬や猫の体調を守るためには、毎日の暮らしの中で無理なくできる工夫を取り入れることが大切です。
暑い季節を元気に乗り越えるために、日常生活の中で取り入れやすい工夫をいくつかご紹介します。

〈室温・湿度の管理〉
犬や猫が過ごす部屋は、室温を25℃前後、湿度は50%前後に保つのが理想です。
エアコンや除湿器、遮熱カーテンなどを活用して、涼しく快適な空間を整えましょう。留守番中もエアコンは切らず、設定温度を維持することが大切です。

また、犬や猫が自分で心地よい場所に移動できるようにしておくことも重要です。
ただし、冷房の効いていない部屋に入って戻れなくなる、リモコンを踏んで暖房が入ってしまうといった事故もあるため、ドアの開閉やリモコンの置き場所には注意しましょう。

外出中でも、見守りカメラで様子を確認できると安心です。

▼愛犬を留守番させる場合の注意点についてはこちらで解説しています

 

〈水分補給の工夫〉
夏バテ予防には、こまめな水分補給も欠かせません。水をあまり飲まない子には、以下のような工夫がおすすめです。

・ウェットフードを取り入れる
・ドライフードをぬるま湯でふやかす
・ヨーグルトや無塩スープなどで水に香りづけをする
・複数の場所に水飲み場を設置する(特に猫に有効)
・自動給水器の導入(流水を好む子に)

 

〈食事の見直し〉
夏バテによる食欲低下には、食事の内容を見直すのも有効です。

・消化しやすいフードへの切り替え
・いつものフードに香りや温度の工夫(温める/冷やす)
・少量ずつ数回に分けて与える

ただし、急なフード変更はかえって体調を崩す原因にもなります。2〜3日かけて徐々に切り替えましょう。

 

お散歩・屋外での注意点


特に犬の場合、暑い時間帯のお散歩で体調を崩すことがあります。そのため、できるだけ早朝や夜など、気温の低い時間帯を選ぶようにし、こまめな水分補給と休憩を心がけましょう。

また、アスファルトは日中に熱をため込み、夕方でも地表近くは高温のままです。やけどのリスクを避けるためにも、お散歩前に手で地面を触り、熱さを確認してから出かけるようにしましょう。

さらに、クールベストや保冷剤入りのバンダナなど、暑さ対策グッズを活用するのも効果的です。

なお、ベランダや車内は、短時間でも高温になりやすいため要注意です。
直射日光が当たる場所や風通しの悪い空間での滞在は避け、愛犬・愛猫が熱中症にならないよう十分に気を配りましょう。

 

夏バテ予防のために動物病院でできること


「夏バテかと思ったら、内臓の病気や感染症だった」というケースもあります。
症状が続くときや、少しでも気になることがある場合は、一度動物病院で健康チェックを受けることをおすすめします。

動物病院では、身体検査や血液検査で体の状態を詳しく確認できるほか、食事や生活環境に関するアドバイスも行っています。
毎年のように夏に体調を崩す子には、季節に合わせた早めの予防ケアを一緒に考えていきましょう。

 

まとめ|暑さ対策と日々の観察で夏バテを防ぎましょう


犬や猫は、私たち以上に暑さに弱く、夏バテや熱中症のリスクが高い動物です。
「元気がない」「食欲が落ちた」などの小さな変化も、暑さによる体調不良のサインかもしれません。

特に短頭種や高齢の子、持病のある子は注意が必要です。
室温や湿度の調整、水分補給の工夫、散歩の時間帯やフードの見直しなど、毎日の生活に少しずつできることを取り入れて、夏バテを予防しましょう。

「様子を見て大丈夫かな?」と迷ったときこそ、早めの受診が安心につながります。不安なことがあれば、いつでも当院までご相談ください。

 

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