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暑さに負けない!犬の真夏の散歩&猫の運動の工夫

2025.08.01
犬の話猫の話

夏になると「暑くて外に出られない」「うちの子、最近あまり動かないかも…」と感じる飼い主様も多いのではないでしょうか。
人間にとっても厳しい真夏の暑さは、犬や猫にとってさらに大きな負担になります。

とはいえ、運動不足は筋力や代謝の低下だけでなく、ストレスの原因にもつながります。とくに子犬・子猫やシニアの子は、暑さに加えて体力や関節の問題も考慮する必要があります。

今回は、真夏でも無理なく・安全にできる「散歩の工夫」や「室内での運動方法」について、犬と猫それぞれに分けてご紹介します。

■目次

 

真夏に気をつけたい「散歩時間」と「地面の熱」


真夏の犬の散歩はアスファルトの温度を手で確認し、朝5〜8時や夜19時以降など涼しい時間帯に行うことを推奨するイラスト

夏のアスファルトは、気温以上に高温になります。
晴れた日の午後には、地面の表面温度が60℃を超えることもあり、肉球のやけどや体温の急上昇につながります

犬は地面に近い位置で歩くため、地面からの照り返しも加わり、想像以上に過酷な環境です。

そのため、夏の散歩は時間帯の選び方がとても重要です。
おすすめは、早朝(5〜8時)か、日が沈んでからの夜間(19時以降)です。ただし、日差しが落ち着いていても、地面にはまだ熱が残っている場合があります。出発前にアスファルトに手を当て、「熱くて触っていられない」と感じるようなら、その時間帯は避けましょう

「毎日散歩に行かなきゃ」と無理をせず、まずは“安全第一”で、時間帯やルートを見直すことが、愛犬を暑さから守る第一歩になります。

 

犬の散歩は「時間より質」を意識


暑い季節は、長時間の散歩にこだわる必要はありません。大切なのは「どれだけ歩いたか」より「どんな内容だったか」です。

短時間でも、においを嗅いだり、道草を楽しんだりすることで、脳や感覚をしっかり刺激できます。10〜15分程度を目安に、朝と夜に分けて複数回にするなど、体調や気温に合わせて調整しましょう。

また、短頭種(パグ・フレンチブルドッグ・シーズーなど)は体温調整が苦手で、わずかな暑さでも体に負担がかかります。
肥満気味の犬や高齢犬も熱中症のリスクが高いため、より慎重な管理が必要です。

▼犬の熱中症についてはこちらで解説しています

 

猫の場合の運動不足、どうカバーする?


夏場は犬だけでなく、猫も運動不足になりがちです。特に完全室内飼育の猫は、暑さによって活動量が落ち、寝てばかりになることも珍しくありません。

冷房の効いた部屋で、猫じゃらしやボールなどの遊び道具を使って、1日数回、短時間でもいいので体を動かす時間を設けてあげましょう

また、キャットタワーや家具を利用して上下運動ができる環境を整えるのも効果的です。窓辺に登れるスペースを作ってあげると、外の景色が刺激になり自然に体を動かすこともあります。

高齢猫の場合は、関節や持病への配慮も必要です。急なジャンプを避けられるようステップを設置したり、滑りにくいマットを敷いたりして、安全に移動できるようにしてあげましょう。

 

「散歩=運動」だけじゃない。室内でもできる体と心のケア


暑さが厳しい日や、散歩が難しい日は、冷房の効いた室内でできる「遊び運動」を取り入れてみましょう。

たとえば、
引っ張り合って遊べるロープ系のおもちゃ
音が鳴るぬいぐるみ
フードを探す知育トイ
おやつが出てくる転がしトイ
などは、体を動かす+頭を使う遊びとして最適です。

特に子犬や子猫はエネルギーが有り余っているため、こうした遊びの時間を意識的にとってあげることで、無駄吠えやいたずらの予防にもなります。

一方、シニアの犬や猫には、無理のない範囲で「ゆるやかな刺激」を取り入れてあげましょう。たとえば、室内をゆっくり歩かせたり、やさしくマッサージをしたりするだけでも、筋力維持やストレス軽減に役立ちます。

「暑くて何もできない」とあきらめず、室内でできることから少しずつ始めてみましょう。

 

気づきにくい熱中症の初期サインとは?


熱中症は急に倒れるイメージを持たれる方も多いですが、実際には「なんとなく元気がない」といった微細な変化から始まるケースもあります。
以下のような様子が見られたら、注意が必要です。

・ハァハァと激しく呼吸する(パンティング)
・よだれが多い
・歩きたがらない、動きが鈍い
・呼吸が浅く速い

こうした症状が現れたら、すぐに涼しい場所に移動し、首や脇に保冷剤をあてるなどの応急処置を行ったうえで、できるだけ早く動物病院を受診してください。

 

飼い主様ができる熱中症予防の工夫


日々のちょっとした工夫が、愛犬・愛猫を暑さから守ります。

◆ 冷感グッズの活用
保冷剤入りのバンダナや冷却ベストなどのアイテムは、体にこもった熱を効率よく下げるのに役立ちます。

◆ 水分補給のタイミング
「散歩前」「散歩中」「帰宅後」のタイミングで、こまめな水分補給を促しましょう。
お水をあまり飲みたがらない場合は、スープ状のごはんを活用するなど、工夫して水分をとらせてあげましょう。

▼水を飲みすぎると危険?犬の水中毒についてはこちらで解説しています

 

◆ 通気性の良いハーネスやウェア選び
蒸れやすい素材や厚手の洋服は避け、風通しのよい軽い素材を選びましょう。

 

まとめ


夏の運動は「頑張ること」よりも、「無理をしないこと」がいちばんのポイントです。
短時間でも、楽しく刺激のある運動を取り入れることで、愛犬・愛猫の心と体はしっかり満たされます。

暑さに左右されやすい時期だからこそ、「ちょっとした変化」に気づくことも大切です。
「元気がない、食欲がない、いつもと違う動きをしている」そんなときは、決して無理をせず、早めにご相談ください。

当院では、病気の診療だけでなく、日常生活のちょっとした疑問やお悩みにも、丁寧に対応しています。夏の健康管理についても、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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