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犬が足先をしきりに舐めるのは病気のサイン?|考えられる疾患と対応

2024.09.27
犬の病気

犬は日常的に毛繕いや暇つぶしで足を舐めることがありますが、猫ほど頻繁にグルーミングをするわけではありません。そのため、もし愛犬が普段よりも頻繁に足を舐めている場合、何かしらの病的な原因が隠れている可能性があります。

今回は、犬が足先をしきりに舐める原因として考えられる病気と、その対策についてご紹介いたします。

■目次
1.犬が足先を舐める生理的な理由
2.しきりに足先を舐めているときに考えられる病気
3.犬が足先を舐める行動学的な理由
4.犬が足先を舐める環境面での要因
5.足先を舐め続けるとどうなる?
6.応急処置と対処法
7.予防法やご家庭での注意点
8.まとめ

 

犬が足先を舐める生理的な理由


犬は口を人間の手のように使い、特に散歩の後に足裏に汚れや砂が付いていると、それを舐めてきれいにすることがあります。
また、犬は肉球を通じてのみ汗をかくため、汗で足が湿っている場合も、その湿り気を舐め取ることがあります。

このように、犬が足先を舐めるのは自然な行動であり、短時間で終わることがほとんどです。
しかし、もし愛犬が長時間しきりに足を舐めているようであれば、何かしらの病的な原因があるかもしれません。

 

しきりに足先を舐めているときに考えられる病気


<皮膚の疾患>

アレルギー性皮膚炎アトピー性皮膚炎は、食事や環境中のアレルゲンに反応して、皮膚に痒みを起こす疾患です。
痒みを感じることで犬は舐め始めますが、舐めることで皮膚の状態がさらに悪化し、皮膚炎を起こしてしまいます。
皮膚炎は、皮膚に炎症が起きている状態で、痒みや痛み、違和感があるため、犬はさらに舐めたり噛んだりします。その結果、皮膚が赤く腫れ、脱毛することもあります。

アレルギー性接触性皮膚炎についてはこちらで解説しています
アトピー性皮膚炎についてはこちらで解説しています

また、ノミやダニといった外部寄生虫が原因で、足先をしきりに舐めることもあります。

 

<整形外科系の疾患>

関節炎や骨折、捻挫など、痛みを感じるときも犬はその部分を舐めることがあります。私たちが痛みを感じる場所をさするようなイメージです。

 

<全身性の疾患>

甲状腺機能低下症副腎皮質機能亢進症などのホルモン異常がある犬は、そうでない犬に比べて皮膚トラブルを起こしやすくなります。まれではありますが、天疱瘡てんぽうそう)のような自己免疫疾患でも、足先を舐め続けることがあります。

甲状腺機能低下症についてはこちらで解説しています
副腎皮質機能亢進症についてはこちらで解説しています

 

犬が足先を舐める行動学的な理由 


犬が足先をしきりに舐める原因には、病気以外に心の問題が関わっていることもあります。例えば、ストレス不安を感じたときの解消方法として、または退屈しのぎ飼い主様の注意を引きたいという気持ちから、足を舐め続けることがあります。

さらに、強迫性障害(常同行動)と呼ばれる、同じ行動を繰り返してしまう状態でも、足先を舐め続けることがあります。

 

犬が足先を舐める環境面での要因


犬が足先を舐める原因として、環境の影響も考えられます。例えば、乾燥による皮膚の痒みや、肉球のひび割れ、さらには除草剤や融雪剤、虫除けスプレー、飼い主様の化粧品などの化学物質に触れたことで足先を舐めることがあります。

また、指の間の毛が長いと濡れたままで乾かず、その結果足が蒸れて皮膚炎を引き起こすことがあります。
さらに、足先に何か異物がくっ付いている場合、それが気になって舐め続けることもよくあります。

 

足先を舐め続けるとどうなる? 


足先を過度に舐め続けると、皮膚がただれて「舐性皮膚炎」と呼ばれる皮膚炎を引き起こすことがあります。
炎症を起こした皮膚はバリア機能が弱くなり、細菌やマラセチアなどの真菌に感染しやすくなってしまい、状態がさらに悪化してしまうことがあります。

また、ストレスや不安が原因で足先を舐め続けている場合、その行動が続くことで症状が悪化し、ひどいときには足を噛んで傷つけてしまうことがあります。
こうした行動が続くと、心の問題もさらに深刻になる恐れがあります。

 

応急処置と対処法


もし愛犬が足先を頻繁に舐めている様子が見られたら、悪化する前に動物病院を受診し、原因に応じた適切な治療を受けることが大切です。
原因によっては、塗り薬や内服薬、注射での治療が行われることもありますし、行動学的な治療が必要な場合もあります。

また、指の間の毛が長い場合は、短く整えて、足先だけを家庭でシャンプーしてケアする方法もあります。
さらに、飼育環境に問題がある場合は、環境の改善に向けてアドバイスをさせていただきます。

 

予防法やご家庭での注意点


皮膚トラブルを防ぐためには、皮膚のバリア機能を正常に保つことが大切です。そのため、皮膚を清潔に保ち、しっかりと保湿することが重要です。
定期的なグルーミングはもちろんのこと、特に足先にトラブルが出やすい場合は、こまめなフットケアを心がけましょう。
また、アレルギーが疑われる場合は、タバコの煙やハウスダスト、花粉などのアレルゲンとなりうるものを、できるだけ環境から排除することも予防に役立ちます。

 

まとめ


犬が足先を舐めることによるトラブルは、よく見られる問題ですが、原因はさまざまです。そのため、原因に応じた適切な対応が大切です。

また、舐め続けることで皮膚状態の悪化や、異常行動が進んでしまうこともあります。もし愛犬が足を頻繁に舐める様子が見られたら、早めに動物病院で診てもらうことをおすすめします。

 

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