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犬や猫の震えは病気のサイン?|足腰の震えから考えられる疾患と対応策

2024.09.13
犬の病気猫の病気

ふと愛犬や愛猫が震えているのを見て、「寒いのかな?」「何か怖いことがあったのかな?」と心配になることがありますよね。さらに、「もしかして病気なのかも…?」と不安が膨らむこともあるかもしれません。

犬や猫が震える理由は、寒さや緊張などの一時的なものから、関節の異常やホルモンバランスの乱れなど、さまざまな原因が考えられます。そのため、症状が続く場合は適切な対処が必要です。

今回は、犬や猫が足腰を震わせる原因として考えられる病気と、その対応方法についてわかりやすく解説します。

■目次
1.考えられる原因
2.症状の観察ポイント
3.動物病院での診断方法
4.治療法と対処法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

 

考えられる原因


<神経系の病気・原因>
犬や猫が震えやけいれんを起こす原因として、神経系の病気が挙げられます。
例えば、てんかんや脳炎、水頭症、脳腫瘍といった脳の疾患や、ジステンパーなどの感染症椎間板ヘルニアなどが原因となることがあります。

てんかんについてはこちらで解説しています
脳炎についてはこちらで解説しています
脳腫瘍についてはこちらで解説しています

さらに、慢性肝炎や肝硬変、門脈体循環シャントなどによる肝性脳症進行した腎臓病による尿毒症でも、神経系の症状として震えやけいれんが現れることがあります。
また、低血糖になると手足の震えや、脳の機能が低下して全身のけいれんや震えが見られる場合もあります。

尿毒症についてはこちらで解説しています
低血糖症についてはこちらで解説しています

 

<運動器系の病気・原因>
関節炎や変形性関節症など、運動器系の病気が原因で震えが起こることも少なくありません。
特に高齢の犬や猫では、筋力が低下するため、立っているときや座っているときに姿勢を保つのが難しくなり、震えが現れることがあります。

リウマチ性関節炎についてはこちらで解説しています
変形性関節症についてはこちらで解説しています

 

<環境によるもの・心理的なもの>
人間も含め動物は、寒さに対する体の防御反応として、体を震わせて体温を上げようとします。
特に高齢の動物は寒さに対する耐性が低下しているため、若い頃よりも震えやすくなることがよくあります。

寒さ対策についてはこちらで解説しています

また、心理的な要因も考えられます。見知らぬ人や犬に対する不安や警戒心、雷や大きな音などのストレスから震えることがあります。
反対に、嬉しさや興奮からポジティブな感情で震えることもあるでしょう。

 

<中毒>
中毒症状として震えが現れるケースもあります。
特にチョコレートやカフェインなどを摂取した際に、震えやけいれんといった症状が見られることがありますので、誤飲には十分な注意が必要です。

チョコレート中毒についてはこちらで解説しています
誤飲誤食についてはこちらで解説しています

 

症状の観察ポイント


犬や猫の震えが、寒さや明らかなストレスによるものであり、その原因を取り除けば症状が治まる場合は、必ずしも深刻に心配する必要はないかもしれません。
しかし、原因がわからない、あるいは震えが続く場合は、早めに動物病院を受診し、原因を特定して適切な対応を取ることが大切です。

ただし、「震え」と一口に言っても、その程度や状況はさまざまで、問診だけでは正確に状況を把握しきれないことも少なくありません。
そのため、診察の際には、以下のポイントを観察しておくと診断に役立ちます。また、可能であれば震えが起きた際に動画を撮っておくと、さらに診断の参考になります。

・震えが見られるのは全身か、顔や脚など特定の部位なのか?
・震えの頻度はどのくらいか?(週に1回なのか、毎日なのか、または何時間おきなのか)
・震えが起きる時間帯はいつか?(朝、昼、夜など)
・震えはどのくらいの時間続くか?
・震えが起きる状況は?(起き上がったとき、外に出たとき、音が聞こえたときなど)
震え以外に見られる症状はあるか?(吐き気、食欲不振、元気がないなど)

 

動物病院での診断方法


まず、飼い主様から震えの症状について詳しくお聞きし、愛犬や愛猫の全身を丁寧に身体検査します。その後、神経学的検査を行い、神経系に異常がないか、または異常がある場合はどの部位に問題があるかを確認します。

さらに、血液検査やレントゲン検査を通じて、震えの原因となる病気がないかを確認します。特に、脳や脊髄に異常が疑われる場合には、MRIによる精密検査が必要となることがあります。
こうした一連の検査を通じて、震えの原因を正確に特定し、適切な治療方針を立てていきます。

 

治療法と対処法


震えの原因が特定の病気による場合、その病気に対する適切な治療が必要です。
例えば、神経系の異常や感染症、内臓疾患などが原因であれば、それに応じた薬物療法や手術などが行われます。

一方、病気ではなく寒さやストレスが原因の場合は、飼育環境の温度管理やストレス源の排除が重要です。
寒い季節には適切な防寒対策を取り、ストレスの原因となる状況(騒音や見知らぬ人・動物など)を取り除くことで、震えが軽減されることがあります。

 

予防法やご家庭での注意点


震えに限らず、犬や猫の病気は日常生活の中で早期に発見するのが難しいことが多いです。そのため、今の健康状態をしっかり把握し、病気の早期発見や予防に役立てるためにも、定期的な健康診断を受けることが大切です。

また、犬や猫が若いうちから適度な運動をすることで、年齢を重ねたときも足腰を丈夫に保つことができます。バランスの取れた栄養管理とともに、日々の運動を意識しましょう。
高齢になっても、負担にならない程度の軽い運動を続けることが、健康維持に役立ちます。

さらに、ストレスを軽減できる環境づくりも大切です。愛犬や愛猫が安心して過ごせるよう、静かでリラックスできる環境を整えてあげることが大切です。日々のこうした気配りが、愛犬や愛猫の健やかな生活をサポートし、心身の健康維持につながっていきます。

 

まとめ


震えの原因には、心理的なものや環境による影響など、病気以外の理由もありますが、たとえ健康上問題がなくても、生活の質(QOL)を低下させる要因になりかねません。

また、震えが病気による場合は、すでにその病気が進行している可能性もあり、早期に対応しないと手遅れになることもあります。原因がはっきりしない場合やご心配なことがあれば、ぜひお気軽に獣医師にご相談ください。
特に、震えが止まらない、頻繁に起こるといった場合は、早急な処置が必要な可能性があるため、できるだけ早めに受診しましょう。

 

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