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うちの子の皮膚がガサガサ・うろこ状?犬の皮膚トラブルとケアのポイント

2025.10.10
犬の病気

愛犬の体をなでているとき、「あれ?皮膚がカサカサしている」「白い粉のようなフケがたくさん出ている」と感じたことはありませんか?ときには、皮膚の一部がうろこ状にはがれ落ちているように見えるケースもあります。

このような状態は、乾燥やシャンプーによる刺激で一時的に起こることもありますが、なかには皮膚の病気や体の中に異常が隠れている場合もあります。

特に、季節の変わり目や湿度の低下、加齢、フードの変更など、さまざまな要因が重なると皮膚のバランスが崩れやすくなるため注意が必要です。

今回は、「皮膚がうろこ状になる」という気になる症状の原因、対処法、自宅でできるケア、病院での治療内容についてわかりやすくご紹介します。

■目次

 

犬の皮膚がうろこ状になるとは?


「うろこ状」とは、皮膚の表面が乾燥して白くめくれたり、細かく剥がれ落ちたりする状態を指します。見た目としては以下のような特徴が見られます。

・皮膚がカサカサして白っぽく見える
・フケが大量に出てくる
・皮膚の表面がポロポロとはがれている
・かさぶたのように見える部分がある
・被毛に粉状の白いものが付着している

このような状態が一時的で、すぐに改善する場合は心配ないこともありますが、何日も続いたり、広範囲に広がったり、かゆみや赤み、脱毛など他の症状が併発している場合は、皮膚病や全身疾患の可能性があるため注意が必要です。

 

犬の皮膚がうろこ状になる主な原因


皮膚の状態は、体の内側・外側の両方から影響を受けます。うろこ状の皮膚になる原因として、以下のようなものが考えられます。

1. 環境的要因(乾燥・気温変化)
冬場の空気の乾燥や、暖房による湿度低下で皮膚の水分が失われがちになります。

2. 栄養バランスの乱れ
必須脂肪酸(オメガ3・6)やビタミンA・Eの不足は、皮膚のバリア機能を低下させ、乾燥や炎症を引き起こします。

3. アレルギー体質
食物や環境中のアレルゲン(ハウスダスト、花粉、ダニなど)によって、皮膚の炎症や過剰なフケが見られることがあります。

4. 寄生虫・感染症
ノミやマダニの寄生、皮膚糸状菌やマラセチアなどの真菌感染、細菌感染などにより皮膚の状態が悪化します。

5. ホルモン異常や全身疾患
甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)など、内分泌の病気が皮膚症状として現れることもあります。

 

皮膚がうろこ状になるときに考えられる病気


皮膚がうろこ状になる背景には、以下のような皮膚病や全身疾患が隠れていることがあります。症状の進行具合や併発症状によっては、複数の疾患が重なっているケースもあります。

脂漏症
皮脂の分泌異常により皮膚が乾燥し、フケが大量に出る病気です。逆にベタつきが強くなるタイプもあり、犬種によってなりやすさが異なります。

アトピー性皮膚炎
アレルギー体質の犬に多く見られ、かゆみや赤みとともに、乾燥やフケが出ることがあります。慢性化しやすく、皮膚がごわついたり、黒ずんだりすることもあります。

▼アトピー性皮膚炎についてはこちらで解説しています

膿皮症
細菌感染によって膿がたまり、かさぶた状に皮膚が剥がれることがあります。かゆみや赤みを伴うことが多く、再発しやすい疾患です。

▼膿皮症についてはこちらで解説しています

真菌感染症(皮膚糸状菌症など)
いわゆる「カビ」が皮膚に感染する病気です。円形に毛が抜ける、フケが出る、皮膚がうろこ状になるといった症状が見られます。

■ ホルモン異常による皮膚症状
甲状腺機能低下症では、皮膚が乾燥し、被毛が薄くなっていきます。寒がる、元気がないといった症状を伴うこともあります。
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)では、薄毛や皮膚のもろさ、感染症の併発が見られることがあります。

▼甲状腺機能低下症についてはこちらで解説しています


▼クッシング症候群についてはこちらで解説しています


これらの疾患は見た目が似ていても、原因や治療法が異なります。自己判断せず、動物病院で適切な検査を受けることが大切です。

 

動物病院での診断と治療


皮膚の異常にはさまざまな原因があるため、まずは原因の特定が治療の第一歩です。当院では、以下のような検査と治療を組み合わせて行います。

〈主な検査内容〉

・視診・触診:皮膚の状態や毛の質をチェックします。
・皮膚検査:顕微鏡でフケや毛根の状態、ダニ・真菌の有無を確認します。
・培養検査:細菌や真菌の種類を特定します。
・血液検査・ホルモン検査:内科的疾患の有無を調べます。

〈治療内容の一例〉

・外用薬保湿剤、抗菌・抗真菌薬入りシャンプーなど
・内服薬抗菌薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド、ホルモン剤など
・食事療法アレルギー対応食や栄養補助フードの導入
・併用療法:必要に応じて鍼灸・オゾン療法なども選択肢に

皮膚の病気は「原因の特定と継続的なケア」が鍵となります。症状が改善した後も、予防的なスキンケアや定期健診を続けることが再発防止につながります

▶当院の皮膚症例はこちらからご覧いただけます

 

自宅でできるケアと注意点


皮膚のうろこ状の変化が軽度であれば、ご自宅でのケアによって改善するケースもあります。以下のポイントを意識してみましょう。

◆ 保湿と環境管理
・室内が乾燥しているときは加湿器を活用しましょう。
直接エアコンの風が当たらないようにするのも効果的です。

◆ シャンプーケアの見直し
・洗いすぎは皮膚を傷める原因になります。月1〜2回程度を目安に行いましょう。
低刺激性のシャンプーや保湿ローションを使うと、皮膚のうるおいを保てます。

◆ 食事の工夫
オメガ3脂肪酸(EPA、DHA)を含むフードは皮膚の健康をサポートします。
・サプリメントを取り入れる場合もありますが、体質や持病との関係もあるため、始める前に必ず獣医師へ相談しましょう。

◆ 観察と記録
いつからどのような変化が起きているかをメモしておくと、受診時に役立ちます。
かゆみ、赤み、脱毛、ニオイなどの有無もチェックしましょう。

◆ 定期的なブラッシングで被毛チェック
ブラッシングは毛のもつれやフケを取り除き、皮膚の血行を促すことで健康維持に役立ちます。
・ブラッシングの際は、皮膚の赤み・乾燥・かさつき・湿疹などがないかを一緒に観察しましょう。

ただし、数日ケアをしても改善が見られない、もしくは悪化している場合は、自己判断を避けて早めに受診することが大切です。

 

まとめ


愛犬の皮膚がうろこ状になる症状は、季節的な乾燥や一時的な刺激が原因のこともありますが、実は身体の中からのSOSサインである可能性もあります。

特に、症状が長引いている、かゆみや赤みがある、毛が抜けてきたなど他の変化も見られる場合は、皮膚だけの問題ではないかもしれません。

「最近、フケが多い」「皮膚がうろこ状に見える」など、少しでも気になる変化があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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