スタッフブログ

HOME > スタッフブログ > シニア犬・猫に見られるサイン早見表|夜鳴き・徘徊・昼夜逆転への対応ガイド

シニア犬・猫に見られるサイン早見表|夜鳴き・徘徊・昼夜逆転への対応ガイド

2025.11.07
犬の話猫の話

愛犬・愛猫が7歳を過ぎるころから、体の変化だけでなく、日々の習慣や行動にも少しずつ違いが見られるようになります。
「夜中に突然鳴くようになった」「昼間は寝てばかりで、夜に活発になる」「同じ場所を何度も行ったり来たりする」そんな様子に驚き、戸惑ってしまう飼い主様も多いのではないでしょうか。

これらの変化は、決して“わがまま”や“年のせい”だけではありません。認知機能の衰えや視力・聴力の低下、関節の痛み、不安感など、いくつかの原因が重なって起こっている可能性があります。

そこで今回は、シニア期によく見られるサインを整理しながら、家庭でできるケアの工夫や動物病院でのサポートについて、わかりやすくご紹介します。

■目次

 

シニア期に見られる主なサイン早見表


年齢を重ねた犬や猫には、少しずつ行動や生活リズムの変化が現れます。
「うちの子、最近なんだか様子が違うかも?」と感じたときは、次のようなサインが出ていないか、チェックしてみてください。

行動の変化考えられる主な原因
夜中に急に鳴く、そわそわと落ち着かない認知機能の低下、体の痛み、呼吸や循環の異常
昼間によく寝て、夜に活動的になる体内時計の乱れ、視力・聴力の低下
同じ場所をグルグル歩き回る認知症、視界の変化、関節の違和感
名前を呼んでも反応が鈍い聴力や認知機能の衰え
トイレ以外の場所で排泄してしまう足腰の痛み、見えづらさ、判断力の低下
急にごはんを食べない、水の飲み方が変わった消化器の不調、腎臓・ホルモンの病気など
動きが鈍くなり、寝ている時間が長くなった慢性的な痛み、心臓・肺の病気、認知機能の変化


こうした行動の変化は、「年だから仕方ない」と見過ごしてしまいがちですが、体や心からのサインかもしれません。
できるだけ早く気づき、対応してあげることで、愛犬・愛猫が年を重ねても快適に過ごすことができます。

▼認知機能不全症候群についてはこちらで解説しています

 

 夜鳴き・昼夜逆転・徘徊が起きる原因


シニアの犬や猫によく見られる「夜に鳴く」「昼間は寝てばかり」「ぐるぐると歩き続ける」といった行動。
これらは“老化”による変化のひとつではありますが、実際にはいくつかの要因が重なって起きているケースがほとんどです。

〈夜鳴き・昼夜逆転〉

年を重ねると、体内時計がうまく働かなくなり、昼夜のリズムが乱れがちになります。
その結果、昼間によく寝てしまい、夜になると目が覚めて活動的になるのです。

また、視力や聴力の衰えによって暗い部屋の中で不安を感じやすくなり、「ここはどこ?」「誰もいないの?」と不安になって鳴くこともあります。

〈徘徊・ぐるぐる歩き〉

ぐるぐる同じ場所を回る、家の中を落ち着きなく歩き続ける。
こうした“徘徊”のような行動は、認知機能の低下(犬や猫の認知症)が関係していることがあります。

ただし、視界がぼやけている・耳が遠い・関節が痛いなど、身体的な不調が原因のこともあります。
例えば、関節に痛みがあると横になって休むことがつらくなり、「動いているほうがラク」と感じて歩き続けてしまう場合もあります。

 

ご家庭でできる在宅ケアのポイント


シニア期の暮らしを支えるために、ご家庭で取り入れやすい工夫をいくつかご紹介します。

◆ 環境を整える
夜中に目を覚ましても不安にならないように、廊下や寝床付近にうっすら明るいライトをつけておくのがおすすめです。暗すぎると視界がぼやけ、不安や混乱の原因になることがあります。

また、フローリングなどで滑りやすい場所には、カーペットやペット用マットを敷きましょう。関節への負担を軽くし、転倒を防ぐことができます。

さらに、ベッドやトイレの出入り口に段差があると、足腰が弱ってきたシニア期の子にとっては大きな負担になります。高さを抑えた寝床に替えたり、出入りしやすいトイレに変更したりするだけでも、日常の快適さがぐっと増します。

◆ 生活リズムを整える
朝日を浴びる習慣をつけることで、体内時計が整いやすくなります。散歩や遊びの時間を昼間に設定して活動量を増やすと、夜に眠りやすくなる傾向があります。

一方で、昼寝をしすぎると夜に眠れず「夜に活動 → 昼に寝る」という悪循環に陥ることもあります。昼寝は短時間にとどめるなど、調整してあげると安心です。

◆ 安心できる空間づくり
トイレ・寝床・ご飯・水飲み場などの場所は、なるべく固定しておくことで混乱を防げます。特に、認知機能の変化が見られる時期には、「いつもの場所」が心のよりどころとなるため、安心感につながります。

また、飼い主様のそばで落ち着いて過ごせるスペースを用意し、声をかけたり撫でたりするスキンシップを増やすことも、不安の軽減に効果的です。

◆ 食事や水分管理
シニア期になると、食欲や水分摂取に変化が出やすくなります。柔らかめのフードに替える、水皿の形状を見直して飲みやすくする、複数の水飲み場を設置するなど、ちょっとした工夫が食事や水分の継続につながります。

また、「あまり水を飲まなくなった」「急に食べなくなった」といった変化が見られる場合は、内臓の不調や口内の痛み、歯のトラブルなどが原因になっていることもあるため、注意が必要です。

 

 動物病院でできるサポート


ご家庭でのケアはとても大切ですが、「行動の変化が長引く」「症状が強まってきた」「元気や食欲が落ちてきた」そんなときは、医療的なサポートが必要なサインかもしれません。

当院では、以下のような総合的な対応が可能です。

・認知機能不全症候群(犬の認知症)をはじめ、甲状腺機能の異常、腎臓病、関節炎・痛みなど、内科・整形・神経にわたる専門的な診療
・問診・身体検査・血液検査・画像検査を通じて、行動の変化の背景にある原因を総合的に調査
・必要に応じて、行動サポートのためのお薬やサプリメントをご提案
・在宅でのケアや介護用品の選び方、住環境の整え方などについてのアドバイス
・獣医師・動物看護スタッフ・トリマーが連携し、病気だけでなく日常生活のお困りごとにも寄り添う体制

飼い主様ご自身が疲れてしまうと、愛犬・愛猫のシニアケアも思うようにいかなくなることがあります。夜鳴きや徘徊で眠れない、トイレのお世話が大変…そんなときは、どうか一人で抱え込まず、いつでもご相談ください

 

まとめ


愛犬・愛猫の夜鳴きや昼夜逆転、徘徊などの行動変化は、年齢による自然な変化だけでなく、認知機能の低下や身体の不調が背景にあることもあります。

家庭での環境づくりや生活リズムの見直しに加えて、医療的な視点から原因を確認し、今の状態に合ったサポートを受けることで、シニア期も快適で穏やかな日々を送ることができます。

当院では、病気の診療だけでなく、飼い主様の「こんな時どうすれば?」に寄り添う場所です。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。

 

光が丘動物病院グループ
東京都練馬区に本院を置き、東京都内、埼玉県で4つの動物病院を運営しています
お問い合わせはこちら

■分院名をクリックすると各院のページに遷移します
練馬本院(東京都練馬区)
川口グリーンクリニック(埼玉県川口市)
とくまるクリニック(東京都板橋区)
月島クリニック(東京都中央区)

 
TOPへ戻る