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どのくらい刈らなきゃいけないの?ちゃんと生えてくるの?獣医師に聞きにくい避妊手術の毛刈り。

2016.04.30
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犬の魅力の一つはフワフワの毛並み。という飼い主も少なくないと思います。 しかし、手術となるとその毛を刈らなくてはいけません。 いったいどれ位毛を刈るの? その後はちゃんと生えてくるの? そのような心配事はなかなか獣医師に聞きにくいかもしれません。 今回はそんな避妊手術の毛刈りについて紹介します。

避妊手術で必要な毛刈り

ふわふわ犬種

犬の外科手術を行う際は、どのような手術においても、皮膚を切る場所の周りは毛を綺麗に刈り、消毒をしなくてはいけません。 もちろん避妊手術の場合も毛刈りは必ず必要になります。 多少範囲の差はあるものの、上下はヘソあたりから外陰部の近くまで。左右は乳首よりやや外側までは毛を刈らせてもらいます。 手術の傷の大きさから比べると広く感じるかもしれませんが、毛からの感染や手術部位に毛が入ってしまうことを防ぐためには仕方ありません。また、予期しない出血が起きた時など、緊急時に手術の傷口を広げることも考えます。 その後、毛を刈った場所は2~3種類程度の消毒薬で丁寧に消毒をさせてもらい、毛を刈っていない部分はドレープと呼ばれる滅菌処理された布で覆うようにします。このようにすることで、衛生的な手術を行う事が出来るようになります。

毛刈り後の様子

ダブルコートの犬種

バリカンで毛を刈ると毛が生えないと聞いたので心配。という方もいらっしゃいます。 しかし、経験上では実際に避妊手術を行う時に行う毛刈りで問題が出ることはまずありません。 確かに気をつけなければいけない犬もいるのですが、若くて健康な犬であれば基本的にはすぐに生えそろいます。 ツルツルにしたお腹の毛も、抜糸をする1~2週間後には短い毛が生え始めていることがほとんどです。

犬の毛について

ちなみに、犬の毛の生え方には、シングルコートとダブルコートと呼ばれる種類があります。 ダブルコートの犬種はチワワ、ダックス、柴など毛の抜ける犬種。 シングルコートの犬種はプードルやヨークシャーテリアなど毛の生えかわりのない犬種になります。 ダブルコートの犬種では皮膚の保護や撥水に優れたトップコート(上毛)と、保温に優れたアンダーコート(下毛)の2種類の毛が一つの毛穴から生えています。ゴソゴソと抜けるのはこの下毛の方なので、上毛しかないシングルコートの犬種では毛の生えかわりがありません。 ダブルコートの犬種でバリカンをかけると、下毛がなかなか生えてこずに毛が薄くなったように感じることもあるのですが、避妊手術における腹部の毛刈りではほとんど気にならないでしょう。

毛が生えにくい犬

毛刈りをした犬

高齢であったり、皮膚疾患、ホルモンの異常のある犬では、「発毛が遅れる」「発毛しない」という可能性は高くなります。 このような犬たちは、毛の発育や毛根に問題がありますので、他の犬と同じにはいかないかもしれません。 もちろん手術が出来ないわけではありませんので、発毛が遅れる原因があることをちゃんと理解してあげるのが良いでしょう。

まとめ

獣医師にとって、毛刈りは大事な手術準備の一つ。ツルツルのお腹も安全で衛生的な手術の結果です。 再び綺麗な毛が生えてくるのを見守ってもらえると嬉しいです。

 
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