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やっぱり心配。オス猫の去勢手術のあれこれ。

2016.03.07
オス猫の去勢

オス猫の去勢手術はそれほど難しいものではありません。 ただ、獣医師が「簡単だ、簡単だ」と言えば言うほど、心配になってくるのが飼い主様の心情だと思います。 そこで今回は、獣医師目線から、よく診察中に飼い主様から受ける質問にお答えしたいと思います。

麻酔が心配

いくら去勢手術が簡単だとは言いつつも、去勢手術は全身麻酔を使用して行います。 残念ながら、リスクが全くない麻酔はこの世の中には存在しませんので、そういった意味では、麻酔は油断できるものではありません。 麻酔のリスクをできるだけ下げるためには、事前に血液検査などを行い、健康状態を客観的に調べておくことが必要です。 また、麻酔をかけている間に、静脈点滴などを実施していると、麻酔の覚醒がスムーズになるケースも多く、そういった処置を行うことで、麻酔のリスクを下げることが可能です。

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本来、去勢手術は健康体に行うべき手術ですから、このような処置を行っておけば、麻酔によって発生する不具合は極めて「0」に近いと思われます。

手術が心配

手術はもちろん、執刀者の技量に一任されることなりますが、個人的な意見として、正直、去勢手術で技量の差が大きく出ることはないと言っておきます。 術式に多少の違いはあったとしても、不具合が発生するような箇所はあまりなく、想定外の状況が発生しにくい手術ですので、そこまで心配にならないほうがいいとは思います。 去勢の術式については、このブログのページにて紹介していますので、ご参考にしてください。

入院が心配

猫は元来、とても神経がきめ細かい動物です。 いつもと違う環境の上に、聞いたことのない人の話し声、犬などの鳴き声や、猫にとってありがたくない環境が、病院にはあります。

入院が心配

ストレスはどんな猫でも受ける可能性はあります。 たいていの猫は問題ないのですが、預かったとたん豹変し、ケージの中に入れておくと檻をかんだり、爪で扉をこじ開けようとしたりして自分の体を傷つけてしまう猫を、私自身も何ケースか経験したことがあります。 こればっかりは正直、実際に預かってみないとわかりません。 特にご自宅ではとても大人しい猫に限ってそうなるケースも多く、そのような場合は入院している時間の短縮を目的とした去勢手術の計画の変更が必要になります。 そこまでの猫は、本当にレアなケースですし、もちろん過度なご心配をする必要はありませんが、事前にどんな環境で入院するのかなど、一度確認をお願いしてはどうでしょうか?

術後が心配

退院後、家に一人にしておくのが心配というご相談はかなり多く受けます。 実際、術後に猫が少し元気をなくすことは多く、心配になられる飼い主様もいらっしゃいますが、何もしなくても数日でほぼ元の状態に戻ります。 基本的に退院後に24時間の介護が必要になるようなことはなく、お仕事などで家を空け、1日1人で過ごさせても、まず問題はないとは思います。 傷口自体を気にするケースもほとんどないとは思いますので、術後の心配についてはほぼしなくてもいいと思います。

まとめ

去勢手術とは言っても、手術は手術です。 油断は禁物とはよく言いますし、獣医師も慎重に手術にあたる必要はありますが、ほかの手術に比べて、多くの心配をされるようなものでもないので、まずは担当の先生と気楽にご相談されてはいかがでしょうか。

 
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