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愛犬に腹腔鏡での避妊手術を受けさせたい。実際はどうなの?

2016.02.13
メス犬の避妊

犬の避妊手術には様々な方法があります。 基本的には、子宮と卵巣を摘出しますのでお腹を開けなくてはなりません。手術の方法も動物病院によって様々ですが、飼い主さんの希望にできるだけ添えるように日々精進し、努力していると思います。 その中で、もし愛犬に腹腔鏡での手術を希望される方がいるのであれば、今回の内容は必読です。

腹腔鏡手術とは?人と犬の違い

モニター

腹腔鏡は一般的に内視鏡手術に分類され、人では現在様々な病気に対して内視鏡手術が行われています。 小さな傷でお腹を開け、お腹の中を覗くカメラや細長い手術器具をその開けた穴から入れて、カメラによって映し出された画像をテレビのようなモニター画面に映し出し、その画面を見ながら手術を行うのです。 自分の目で見てその部分に直接触るのと異なり、画面を見ながら器具の先で狙った部分を操作することは非常に高い技術が必要です。 これは人でも犬でも手術の難しさは変わらないと思いますが、かなり小さな犬に対してはさらに難しくなると思われます。 犬の避妊手術に関して言えば、全身麻酔下での手術になることは一般開腹手術と同じですが、手術の手法が大きく異なります。 同じ子宮卵巣を摘出するとしても取り扱う器具や手術のアプローチの仕方など全く違うために、ほとんどの病院ではまだできないところが多いのです。

腹腔鏡での避妊手術費用は?

オペの金額

小動物診療料金の実態調査結果(日本獣医師会調べ)によると、腹腔鏡ではない一般開腹手術を行なった場合のメス犬の避妊手術費用は20,000~50,000円程度の価格帯が最も多く、平均24,000円と言われています。 この料金は通常ミニチュアダックスフンドなどの小型犬を基準としています。この料金を基準とすると、病院によりますが腹腔鏡を使用しての避妊手術費用は基準の5倍程度するとみて良いでしょう。 自由診療であり保険適応外ですので、病院によっておそらく料金にはかなりの幅があると思われます。

メリットとデメリット、リスクは?

メリット

メリットは、やはり傷が小さくて済むことでしょう。 現在では5mm程度の傷2~3ヶ所で行う場合が多く、病院によっては1cm程度の傷1ヶ所で行う場合もあります。 いずれにしても一般的な開腹手術と大きく手法が異なるために国内外でのトレーニングが必要で、腹腔鏡手術を行ってくれる病院はまだまだごく少数しかないのが現状です。 デメリットは、前述にも書きました通り料金が一般開腹手術に比べてかなり高額になるということです。 取り扱う手術器具が高価なのはもちろん、それを扱うための技術も高く維持できるようにトレーニングしなくてはなりません。そのために技術料も当然高くなります。 また、準備と手術時間を合わせると一般開腹手術に比べて手術時間が長くなるということが挙げられます。取り扱う手術器具の準備やセッティングに時間がかかるということと、手術時間は術者となる獣医師の技術力により変わります。 よって、お願いする場合はその病院で手術時間を聞くことが必要でしょう。一般開腹手術を行う場合はやり方はどの病院でもさほど変わりはないので、通常20~40分程度ですべて終わらせることができます。

まとめ

手術相談

腹腔鏡による手術を希望される場合は病院探しから料金の相談まで色々と大変なことが多いと予想されます。 手術法を選ぶのは飼い主さん次第ですが、腹腔鏡手術を行ってくれるにあたり良い病院と獣医さんにめぐり合えると良いですね。

 
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