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犬の心臓病と去勢手術

2018.03.26
オス犬の去勢

去勢手術をする時期はいつがいいか悩む人も多いと思います。 よく行う時期は若齢の6ヶ月齢以降でしょう。 しかし、行うかどうか自体を迷っていたり、いつがいいか考えているうちに先延ばしになってしまって、犬がシニアになってから去勢をしようと考えることもあるかもしれません。 さて、シニア・高齢でも問題なく去勢手術ができるのでしょうか? 他にも多くの病気がありますが、シニアで発生の可能性の高い病気として「心臓病」についてお話していきましょう。

心臓病になると咳が出る

心臓病とは、おおざっぱな言い回しですが、その中でも小型犬で多いのは「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべん へいさふぜんしょう)」という心臓病です。 これは、心臓の中にある4つの部屋のうちの左側の部屋の間の扉のようなものの「僧帽弁」という弁が悪くなることで起こる病気で、血液の流れが逆流するものです。 この心臓病での症状は ・活動性が下がる(以前まではよく動いていた遊びなどに反応しない等) ・咳が出る ・呼吸が速い(寝ているとき等の安静時でも1分間に約25以上呼吸する) などがあり、さらに心臓病が進行し状態が悪化すると心臓から肺への悪影響が出てしまったり心臓自体が疲弊してくるため ・呼吸がつらく座った姿勢で肩で呼吸する(声をかけても反応できないくらい呼吸がつらい) ・急にバタッと倒れ、一時呼吸が止まり、少しして息を吹き返す(心臓発作) という症状が現れることがあります。 この肩で呼吸する様子や心臓発作は心臓病がかなり進み重症な状況で命の危険がある場合が高いため、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。 ひとまず飼い主さんが最初に気づきやすい症状は「咳が出る」でしょう。 ある程度進行してしまっていますが、咳が出ていたら早めに受診しましょう。

病院でわかる心雑音

残念ですが、心臓病は完全に治すことはほぼ難しい病気です。 もちろん心臓病の状態によっては手術などで治すこともできる場合もありますが、リスクもあり高い料金もかかるでしょう。 一般的に多い治療方法は薬を使用する内科療法で、心臓病の進行を抑えたり心臓病からの悪影響を減らす方法です。 治療するために動物病院でみてもらう必要がありますが、病院で分かる心臓の状態としては ・聴診で心臓音に雑音が聞こえる(ドックンドックンという音以外にザーという雑音が聞こえる) ・レントゲン検査:心臓が大きくなっている ・超音波検査:心臓の中で血液の逆流がある などがあり、それ以外に症状の進行によって多くの所見が確認できる場合あります。 この中でも一番診察の中で発見しやすい所見としては「心雑音」でしょう。 心臓病の初期段階でわかりやすい心雑音を確認することは治療を早期から行うために大事なことです。

去勢手術はできる?

心臓病のある犬は麻酔のリスクがあがり、できれば麻酔をかけるような手術は行わない方がいいでしょう。 不可能ではないですが、できるのであれば心臓病になるようなシニアになる前に去勢手術を済ませておくことをおすすめします。 もし、去勢手術を行わなければいけない病態であれば、心臓の検査や治療を行い、犬の状態が安定していることを確認してから行うべきでしょう。 まずは、犬の現状をかかりつけで診てもらってくださいね。  

 
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