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未避妊のメス犬が意図せず妊娠してしまった飼い主様へ。獣医師からの幾つかのアドバイス差し上げます。

2017.02.16
メス犬の避妊
避妊手術は飼い主様にとっては一大イベント。 やろうやろうと思っているうちにタイミングを逃してしまった飼い主様も多いのではないでしょうか? 未避妊であることのリスクは、様々な病気になる可能性があることがあげられますが、同居に未去勢のオス犬がいれば、意図しない妊娠の可能性も高くなります。 今回は気づかないうちに交配、妊娠してしまったメス犬の飼い主様に、その後の対応法をいくつかご説明したいと思います。

堕胎を考えてらっしゃる飼い主様へ

初期段階では外観上からは妊娠を判断するのは非常に困難です。 交配後30日ぐらいすると、乳腺も腫れだし、腹部もやや膨れてきます。 執刀する獣医師としての意見ですが、この腹部が膨れ始める、すなわち妊娠子宮が腫大し、胎児も大きくなっていると、色々な面で堕胎のリスクが高まります。 堕胎は胎児ごと子宮と卵巣を摘出するのですが、大きくなった子宮は血管が豊富なうえ、定期出後に血圧が下がるなどのリスクがあるほか、母体自体にも何らかの影響があるために、麻酔のリスクも高まっています。 もし交配したかもと気づいた、そして望まない妊娠を避けるためにはすぐに避妊手術を行いましょう。

自宅で出産を考えてらっしゃる飼い主様へ

自宅での出産は非常に大変だと思います。 慣れてしまえばどうってことはないのでしょうけれど・・。 事前の準備として、レントゲンを撮り、何頭胎児がいるのか確認をしておきましょう。 病院としてお手伝いできることは多くはないので、基本的には安心して出産ができる場所を自宅に設け、初期のうちからそこにならしておくのがいいとされています。 また、体温をまめに計測することも大切です。 おおよそ60日頃が出産の時期になるのですが、出産当日には38度ぐらいある平熱が36度辺りまで低下します。 そうなったらもはや人は見守るしかありません。

出産が始まったら?

出産はいきみが始まるといよいよスタートとなります。 特定の犬種では体型から自然分娩が不可能なので、計画的に帝王切開を行いますが、経験上自然分娩が最もリスクが少ないと思います。 よくどれくらい時間がかかってもいいのですか?と問い合わせがあるケースがあります。 絶対的な時間はないのですが、一般的には1頭目の出産はいきみだして6時間程度は胎児は問題なく生存できますが、2頭目以降は2時間程度が限界だと言われています。 時間の経過とともに胎児の生存率は著しく低下しますので、ある程度のの時間が経過したら動物病院に連絡し、帝王切開を行います。

出産後にしてもらいたいこと

まずは奇形があるかのチェックです。 肛門がない鎖肛、頭蓋骨の癒合不全から起こる口蓋裂は致命的な奇形になり得るので特によく観察しましょう。 また断尾をしようと考えているのであれば、出産当日から3日以内がいいと思います。 新生児の健康チェックは何といっても体重のチェックが一番です。 一日1回は体重を計測し、他の兄弟よりも体重の増加がない、もしくは体重が減っている個体は何らかの異常がありますので、早めに獣医師とそうだんしてください。

まとめ

生き物にとって出産は大きな出来事です。 人間でも出産が安全にできるようになったのはつい最近のことです。 犬は安産の神様とは言われてはいますが、やはりリスクはあります。 避妊手術のリスクとどちらが高いかと言われると単純に比較するのは難しいのですが、獣医師の意見としては、もともと出産を望まないのであれば、適切な時期に避妊手術を行った方がいいと思います。
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