スタッフブログ

HOME > スタッフブログ > オス猫の去勢をしないとどうなる?マーキング・病気・寿命への影響を獣医師が解説

オス猫の去勢をしないとどうなる?マーキング・病気・寿命への影響を獣医師が解説

2026.06.23
オス猫の去勢

「最近、壁や家具におしっこをかけるようになった」
「夜中に大きな声で鳴くことが増えた」
「尿のにおいが強くなった気がする」

オス猫と暮らしていると、去勢をするべきか迷う場面があるかもしれません。特に、マーキングのような行動や鳴き声の変化が見られると「去勢していないことが関係しているのかな」と不安になる飼い主様もいらっしゃると思います。

一方で「完全室内飼いだから問題なかった」「思ったより困らなかった」というケースもあります。そのため「必ず去勢しなければならない」と一律に考えるのではなく、去勢をしない場合に起こり得る変化を知ったうえで、その子の生活環境や体調に合わせて考えることが大切です。

去勢をしないオス猫では、以下のような変化が見られることがあります。

・家の中でマーキング(スプレー行動)をする
・尿のにおいが強くなる
・夜中に大きな声で鳴く
・脱走しようとする
・他の猫とのケンカが増える
・感染症やケガのリスクが高くなる

今回は、オス猫を去勢しない場合の行動面・健康面への影響や、去勢をするか迷った時の考え方について解説します。

■目次

 

行動面への影響|生活に直結する4つの困りごと


去勢をしないオス猫では、ホルモンの影響によってさまざまな行動の変化が現れることがあります。

・マーキング(スプレー行動)
未去勢のオス猫でよく見られるのがマーキングです。

通常のおしっことは異なり、立ったまま壁や家具に少量の尿を吹きかける行動で、自分の縄張りを主張するために行います。

カーテンやソファ、壁紙などに繰り返し行われると、においや掃除の面で負担になることがあります。

▼猫のマーキングの理由と対策についてはこちらで解説しています

・尿のにおいが強くなる
未去勢のオス猫の尿は、独特の強いにおいがあります

トイレをこまめに掃除していてもにおいが残りやすく、室内飼育では悩みの原因になることがあります。

・夜中の大きな鳴き声
発情したメス猫の存在を感じ取ると、大きな声で鳴くことがあります。

特に春から秋は発情期の猫が増えるため、夜中に何時間も鳴き続けるケースもあります。

飼い主様だけでなく、ご家族や近隣への影響が気になることもあるでしょう。

・脱走やケンカ
発情したメス猫を探そうとして、窓や玄関から脱走しようとする猫もいます。

その結果、 交通事故や行方不明、他の猫とのケンカといったトラブルにつながることがあります。

特に多頭飼いのご家庭や、外の猫が見える環境では問題が起こりやすくなります。

▼脱走についてはこちらで解説しています

 

病気・健康への影響|去勢しないことで高まるリスク


去勢をしないことによる影響は、行動面だけではありません。
健康面にもさまざまな影響があります。

・精巣の病気
去勢をすると精巣はなくなるため、精巣炎や精巣腫瘍などの病気は予防できます

頻度は高くありませんが、高齢になるにつれて発症する可能性があります。

・ケンカによる外傷や化膿
未去勢のオス猫は縄張り意識が強くなりやすく、他の猫と争う機会が増える傾向があります。

特に外へ出る猫では、首や顔を咬まれて傷が化膿し、膿がたまってしまうケースも珍しくありません。

実際に動物病院でも、ケンカ傷をきっかけに来院する未去勢のオス猫もいます。

▼猫同士のケンカによるリスクについてはこちらで解説しています

・猫エイズ・猫白血病のリスク
猫同士のケンカや接触によって感染する病気として、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)と猫白血病ウイルス感染症があります。

これらの病気は一度感染すると完治が難しく、生涯にわたって健康に影響を及ぼすことがあります。

▼猫白血病ウイルス感染症についてはこちらで解説しています

・ストレスによる体調不良
発情したメス猫を探して落ち着かなくなったり、縄張り争いによるストレスを抱えたりすることで、体調を崩す猫もいます。

ストレスが関係する膀胱炎などを繰り返すケースもあり、行動の問題だけでなく健康面にも影響することがあります。

▼膀胱炎についてはこちらで解説しています

 

寿命への影響|去勢しないと長生きするの?


「去勢しない方が長生きする」
「手術をすると寿命が縮む」

このような話を聞いたことがある飼い主様もいるかもしれません。

しかし、現在の獣医療では、去勢手術そのものが寿命を縮めるという明確な根拠はありません

一方で、未去勢のオス猫は発情や縄張り行動の影響で脱走や外出を試みることがあり、その結果として交通事故や感染症、ケガなどのリスクにさらされやすくなります。

そのため「去勢をすると長生きする」「しないと短命になる」と単純に言えるものではありませんが、生活環境によっては健康や寿命に影響する要因が増える可能性があります。

 

では去勢はした方がいい?メリットと、しないという選択


ここまでご紹介したように、去勢には発情に関連した行動の軽減や、健康管理のしやすさといったメリットがあります。

一方で「去勢をしない」という選択をするのであれば、その分しっかりとした管理が必要になります。

例えば、完全室内飼育を徹底することや、脱走防止対策を行うこと、体調の変化に早く気づけるよう日頃から健康状態を観察することなどが大切です。

猫の性格や生活環境によって最適な選択は異なります。

大切なのは「去勢をする・しない」だけで判断するのではなく、その子にとってどの選択が合っているのかを考えることです。

「うちの子の場合はどうだろう?」と迷う場合は、ぜひ当院へご相談ください。
それぞれの猫の生活環境や性格を踏まえながら、去勢手術のメリット・デメリットを丁寧にご説明します。

 

去勢手術のタイミング・気になる疑問


Q1. 去勢はいつ頃行うの?
A. 一般的には生後6か月前後で行うことが多いですが、体格や成長の状態によって適した時期は異なります。
気になる場合は早めにご相談ください。

▼去勢手術のスケジュールについてはこちらで解説しています

Q2. 性格は変わる?
A. 「おとなしくなる」「甘えん坊になる」と言われることがありますが、性格そのものが大きく変わるわけではありません

発情や縄張りに関係する行動が落ち着くことで、そのように感じる場合があります。

▼去勢後の性格の変化についてはこちらで解説しています

Q3. 太りやすくなる?
A. 去勢後は必要なエネルギー量が少し減るため、以前と同じ量の食事を続けると体重が増えやすくなることがあります。

ただし、フードの見直しや適度な運動で十分に管理できます。

Q4. 手術の負担は大きい?
A. オス猫の去勢手術は比較的短時間で行われることが多く、避妊手術と比べると体への負担は少ないとされています。

ただし、麻酔を使用するため、事前の健康チェックは重要です。

手術の流れや費用については、当院の去勢手術ページ料金案内ページもあわせてご覧ください。

 

まとめ


オス猫を去勢しない場合、マーキングや夜鳴き、脱走行動などが見られることがあります。また、生活環境によってはケガや感染症のリスクが高まることもあります。

一方で、すべての猫に同じ問題が起こるわけではありません。そのため、「去勢をするべきかどうか」は、その子の性格や暮らし方も踏まえて考えることが大切です。

光が丘動物病院では、去勢手術に関するご相談を受け付けています。

「まだ決めていないけれど話を聞いてみたい」という段階でも構いません。気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

光が丘動物病院グループ
東京都練馬区に本院を置き、東京都内、埼玉県で4つの動物病院を運営しています
お問い合わせはこちら

■分院名をクリックすると各院のページに遷移します
練馬本院(東京都練馬区)
川口グリーンクリニック(埼玉県川口市)
とくまるクリニック(東京都板橋区)
月島クリニック(東京都中央区)

最終更新:2026年6月

 
TOPへ戻る