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知って損なし、メス犬の避妊手術の適切な時期とは?

2015.12.12
メス犬の避妊
メス犬を飼う上で、やはり考えないといけないのが避妊をするかどうか。 獣医師目線から言うのであれば、やはり避妊手術はやっておいたほうがいいもの。避妊手術をしなかったために起こる、中高齢期以降の病気はたくさんあります。 避妊手術それほど難しい手術ではありませんので、基本的にいつでも手術は可能です。しかし、あまりにも高齢になってから手術をする場合、全身麻酔のリスクを考えねばなりません。 もちろん若すぎる個体に全身麻酔をかけるのもおすすめではありません。 それではいつごろ手術をするのが適切なのでしょうか?

病気の予防という観点から

乳腺腫瘍という犬の乳腺にできる腫瘍は、避妊の時期によって予防できる確率が大きく異なります。 なぜなら、腫瘍の発生が、発情に関するホルモンの影響を大きく受けるからです。 具体的に言えば、初回発情前に避妊手術を行えば、乳腺腫瘍の発生率は0.5%以下ですが、1回目の発情が終わった段階で、その発生率は8%まで上昇します。 さらに、第2回目の発情が終わり、第3回目の発情前までに避妊手術を行ったとしても、その発生率は26%にまで上昇し、第3回目の発情が起こった以降に避妊手術をしても、その予防効果は全くありません。 ですので、病気の観点から言えば、初回発情前が一番理想的な時期といえます。

手術のしやすさという観点から

手術のしやすさ 避妊手術は卵巣と子宮を摘出することが基本ですが、摘出するためには卵巣が腹腔内で靭帯によって強固に固定されているため、それを切除せねばなりません。 靭帯は硬く、引っ張ってもあまり伸びません。 一度も発情が来ていない犬の卵巣の靭帯は極めて硬く、特に大型犬の場合は摘出するのに困難を極める場合があります。 そのような場合は、皮膚や腹筋を切開する長さを広げないといけません。 ですので、手術のやりやすさという点から考えるのであれば、初回の発情以降の手術のほうがいいかもしれません。

発情中の手術は大丈夫なのか?

飼い主様の都合やタイミングの問題で、せっかく決めた避妊手術の予定日に発情が起こってしまうケースはよくあります。 「発情中でも手術はできますか?」とよくお問い合わせがありますが、結論から言えば手術は可能です。 ただし、発情中は(正確に言うのであれば、発情が終了しても1~2か月は)、子宮と卵巣に伸びる血管が非常に太くなるために、出血が多くなる場合もあります。 そういった場合、安全確保のために術創を広げることになりますので、そのようなリスクを避けるのであれば、発情終了後2か月ぐらい後に手術の予定を組んだ方がいいと思います。

番外編 出産後どれくらいたてば手術可能か?

出産後の避妊 予想していなかった妊娠があった場合、もう仔犬を産ませる気がない飼い主様は、たいていの場合、出産後できるだけ早めに手術をしたくなるものです。 病院にも問い合わせがよく来ます。 結論から言えば、手術はいつ出も可能ですが、出産直後はかなり子宮自体が脆いため、あまりお勧めはしません。 仔犬への授乳もありますから、仔犬の離乳が終わってからが良いと思われます。最短であれば、出産後20日ぐらいで離乳できるので、それ以降でと考えて下さい。

まとめ

個人的なおすすめとしては、病気の予防という観点を一番大切に考えていただきたいので、初回の発情がくる前の生後6か月前半が避妊の最適な時期だと思います。
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