仔猫というのは本当に可愛いですよね。
1〜2ヶ月齢位だとヨチヨチとした足取りで無邪気に走り回り、いつまで見ていても飽きないものです。
そんな可愛い仔猫であっても、あっという間に大きくなり、いつの間にか発情やマーキングを始めるようになってしまいます。
そのため、できるだけ早い去勢、避妊手術を行うことが求められています。じゃあ、手術のタイミングは早ければ早い方がいいのか?ということになりますよね。
今回はオス猫にスポットを当て、どれだけ早く去勢手術をしても良いのか、また、早すぎる手術にどんなデメリットがるのかをお話ししたいと思います。
現在一般的とされる去勢手術の適正時期とは?

現在、日本で推奨されている(一般的に勧められている)去勢手術の時期がいつであるかご存知でしょうか?
これに関しては知っている方が多いと思いますが、
通常
生後5〜6ヶ月齢を目安に去勢手術をすることが勧められています。これは、ある程度体の発育も進み、それでもまだマーキングなど性成熟したオス猫に見られる行動が現れにくいとされる時期になります。このタイミングで去勢手術を行うことが、様々言われているデメリットになる部分を極力少なくできる時期になるのです。
これに対し、早期去勢手術という考え方があるので次にご説明します。
早期去勢手術とは?

「シェルター」と呼ばれる猫の保護施設では、里親さんへの引渡し前に避妊去勢手術を済ませておくことがあります。主にアメリカでは
早期(避妊)去勢手術が主流で、
2〜4ヶ月齢の性成熟前に手術を行うことと定義されています。
また、不安点とされる麻酔や合併症の問題が発生するリスクに関してはさまざまな検証がなされており、現在では、
従来から行われる5〜6ヶ月齢で行う手術と早期避妊去勢手術を比較した時に問題が発生する確率に差がないことが証明されています。
よって、
早期去勢手術ということだけで言えばデメリットにはならないと言えるでしょう。
早期去勢手術で知っておくべきこととは?
猫の下部泌尿器疾患は早期の去勢手術とは因果関係なし
昔から言われてきたことに、「あまりに早く去勢手術を行うと性器の発育が遅れ、下部泌尿器疾患に罹患しやすい」とありました。しかし、これに関しては因果関係がないことが科学的に証明されています。
去勢により長骨骨端軟骨の閉鎖遅延が起こる
実は、長骨と呼ばれる大腿骨や橈骨といったような四肢の長い骨は、その発達や成長板閉鎖という成長期に起こる骨の変化が性腺ホルモン(テストステロンなど)に依存していることをご存知でしたか?
これにより、去勢手術で成長板の閉鎖遅延が引き起こされるのです。
ただし、成長に関して大きな問題はなく、
早期去勢手術でも従来の5〜6ヶ月齢以降の去勢手術でも、成長板の閉鎖の遅れに有意差はないことが示されています。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
早期去勢手術が2〜4ヶ月齢であるとすれば、
2ヶ月齢未満の猫の去勢手術は早すぎるということになります。
また、早期に去勢手術を行う場合、それにより起こりうることを知っておくことで、どのタイミングで手術を行うかを考えられるようになるはずです。