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でべそがもともとあるメス猫の避妊手術。臍ヘルニアを一緒に手術しよう。

2016.09.28
メス猫の避妊

母と子は心と体がつながっているとよく言われています。 すべての哺乳類において、心のつながりは、父親のそれよりもおそらく強いものだと思います。 そして生物学的に言っても、へその緒を介して母と子は、生まれる前から強固につながっています。 今回は、そんな母と子のきずなの名残り、齊ヘルニアについてご説明したいと思います。

齊ヘルニアとは?

医学的に言えば、へそは、母体と胎児を結ぶ血管の経路であり、最近の研究では妊娠を継続し、胎児の発育を促すようないくつかのホルモンも分泌されていることが解明されています。 胎盤からへそにかけて、母親の血管と胎児の血管が結合され、その血管結合を介して母体の栄養を胎児に供給し、また胎児の老廃物を母親側に委託するようにできています。

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そのため、胎児の体内に母親の血管経路が侵入できる穴が皮膚、そしてお腹をつつむ腹筋に必要となります。 出産後、へその緒が縮んでいくに従い、皮膚にはその痕跡が、皮膚の下の腹筋は穴がふさがり、結合組織とういものに置き換わるのですが、何らかの問題で腹筋の穴がふさぎ切らずに、生後数か月たっても残ってしまったものを臍ヘルニアと言います。 残ってしまった穴を通して、皮膚の下に腹腔内の脂肪組織や腸が出てしまうので、へそが盛り上がってでべそになります。

体に与える影響

経験上、ほとんど自覚症状はありません。 今まで腸が出それが問題で体調を崩した猫なども診た経験もありません。 ただ、一般的な話では、飛び出た腸が絞扼と言って、残ってしまった穴によって締め付けられてしまうと、腸閉塞のような状態を引き起こすと言われています。 もしでべその部分の色が変色したり、触ると痛がるようなそぶりがあるようであれば、緊急的に診察を受けた方が良いとされています。

治療法

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治療法は手術となります。 たいていの場合は、避妊手術と同時に行うことがほとんどです。 同時に行うことによる不具合はほとんどありませんが、避妊の際に切開を行う場所と、へその位置は2cmほどずれているため、傷口がやや大きくなります。 ただし、その後の術後の経過には何ら影響はありませんので、さほど心配する必要はありません。 体に与える影響はほぼないと言いつつも、あっていいものではないので、積極的に整復をすることをお勧めします。

まとめ

避妊手術は麻酔を使用するというデメリットがありますが、逆に言えば麻酔をかけないとできないことが避妊手術の際は行えるということでもあります。 その他にも、乳歯の抜歯やマイクロチップの接種など、同時に行ったほうが良いと思われる処置は色々ありますので、避妊手術を検討の際には、是非ともご相談して頂ければと思います。

 
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