スタッフブログ

HOME > スタッフブログ > 去勢手術の傷が開いている!?こんな時、もう一度手術方法を確認してみましょう。

去勢手術の傷が開いている!?こんな時、もう一度手術方法を確認してみましょう。

2016.08.26
グループ

去勢手術には幾つかの手術方法があるのをご存知でしたか? 「去勢手術ってやる事は一つじゃないの?」と疑問に思われる方もいらっしゃいますよね。 はい、もちろんそうです。 去勢手術=生殖機能を無くすための方法ですから、目的は一つです。 しかし、そこに至るまでの過程(手術方法)に幾つかの方法が存在するのです。 なぜ今回この話をしようと思ったのかと言いますと、手術方法が異なる事によって術後の管理や気をつけなくてはならない事が変わってくるので、ぜひ皆さんに知っていただきたいと思ったからです。

手術方法は大きく二つに分かれます

散歩中の犬

去勢における手術方法は大きく二つに分かれており、「傷口を開放する方法」と「傷口を縫合する方法」という分類になります。 「傷口を開放する方法」は、名前の通り最初に皮膚を切開した傷口をそのまま開けた状態で自然治癒させていくやり方です。最近は滅多に見なくなりましたが、この方法をとる獣医師も少数ながら存在します。 なぜ開放させたままにしておくのか疑問に思われる方ばかりかと思います。 これは切開する場所にポイントがあります。 通常は精巣が存在する陰嚢部分から陰茎がある部分へ少しずれた皮膚を切開してその部分から精巣を摘出するのですが、この開放させるやり方では陰嚢部分を直接切開して精巣を摘出するのです。この陰嚢部分の表層皮膚は非常に薄く、場所を選べば血管の分布も少ないので皮膚を切ったとしても出血しにくいメリットがあります。そこで小さく切開して手術を行えば、猫の去勢と同じく縫うことなく早期に自然治癒を期待できるのです。 「傷口を縫合する方法」は、先ほどのやり方と反対に皮膚切開した部分を縫い閉じます。ほとんどの獣医師及び動物病院ではこの方法を取っていると思います。このブログにもある手術動画もこの方法ですので、よかったらご覧になってみてくださいね。 傷口を縫合する方法では陰嚢部分から少し離れた皮膚組織を切開します。皮膚切開では出血する可能性はありますが、出血しにくい部分が存在するためそこを狙って切開しているので大きな出血は基本的に起きません。ただ、皮膚組織は陰嚢に比べて皮膚が厚いため開放させておくと治癒が遅れ縫合しないことのデメリットが生じてしまいます。それゆえにきちんと縫合しています。もちろん傷は綺麗に仕上がりますし、去勢されたワンちゃん自身も傷口を機にすることが少なくなりますからメリットは大きいと思われます。

今の主流は傷口を縫合する方法。開放する方法のデメリットとは?

4ee3267b2f32c3ddcecebd6b41024375_s

先ほどまでに書いてきました内容を読めば、傷口を縫合したほうが良さそうだということは感じていただけると思います。 ではなぜ開放する方法がほとんど使われなくなったのでしょうか? それは、医療的側面から見れば開放創にしておくことのデメリットが多いことが言えるからです。 具体的には3つのデメリットがあります。 感染する可能性が高まる ②出血する可能性が高まる ③全ての犬種に同等な効果が得られにくい 開放創になれば犬が舐めたり地面に傷が付くことなどによって傷の中が汚染されて化膿したりする可能性が高まりますよね。 また、②では出血が少ないとはいえどもにじむような出血がしばらく続くことがあります。これは帰宅して飼い主さんが自宅管理をしていく上で非常に不安な要素になります。 さらに③では、小型犬のように小さい体で小さい傷になれば出血も少ないのですが、ゴールデンレトリバーなどの大型犬となると開放させた傷からの出血はそれなりに多くなります。これは完全に自宅管理が難しいレベルになるため、大型犬での縫合しないやり方はお勧めできないのです。

術後、帰宅して傷口に不安を感じたら。

抱っこされる犬

ここまで手術方法の差についてお話ししてきましたが、この差がわかってさえいればいざ傷口からの出血や傷の状態で不安を感じた時に「こうなっていて今問題なのかもしれない」と想像しやすくなると思います。 もちろんわんちゃんの状態で少しでも不安なところは動物病院に連絡するなりしてお聞きになったほうが良いと思うのですが、やはりご自身での理解を深めておくことも重要だと感じています。

まとめ

柴犬

いかがでしたでしょうか? 手術内容など少し難しくなってしまったかもしれませんが、手術部分の変化や傷口の場所など、手術方法によって変わることを知ることが管理の仕方や対処における一助になればと思っています。

 
TOPへ戻る