避妊手術した後、家で猫が身体をしつこくなめている仕草を目にすることは少なくないかもしれません。手術の傷は包帯などで覆われてなめられなくなっていても、いつもよりもしつこくなめてると、気になりますよね。
なんで?なにが原因?どうしたらいいの?ほおっておいて大丈夫?
術後の舐める仕草について説明していきましょう。
帰宅した直後に、全身をなめる

手術が終わって家に着いてから、ずーっと身体中をなめ続けいる場合、
身体をきれいにしようとして毛づくろいしている可能性があります。
背中、首、足などくまなく全身なめるので、手術した傷口近くもなめるかもしれませんが、数秒なめて違う部分をなめるようであれば、傷には問題はありません。
家とは違う動物病院で過ごした後は、そこでついた臭い等をとるために行うのです。
通常の毛づくろいより長めに数十分~小一時間なめていても、満足すると止めるはずです。
服帯(ふくたい)をなめる
基本的には退院時に傷をなめたりできないように、服帯(お腹を覆うような服のタイプの包帯)やエリザバスカラーを着けて帰るはずです。
そして家に帰ってから、服帯をしつこくなめる猫も多いようです。
いつもは着ていない服のようなものが嫌で気になってなめ続けてしまうようですね。
服帯自体をなめることは、特に問題ありませんが、ずーっとなめていると、服帯がほころんできてしまい、脱げて傷口が出てしまうケースもあります。
ボロボロになってきたら、動物病院に相談し新しいものを用意してもらいましょう。
また、エリザベスカラー装着の猫は、身体をなめている気持ちになって、カラーの内側を一生懸命なめる猫もいますが、これも問題ありません。
服帯を着せているが、しつこく股をなめている
この場合は要注意です。
服帯がお腹の傷を覆って隠していても、あきらめずに後足を通してある服帯のすきまから鼻先をグイグイ入れて、最終的に傷まで口が届いてしまう猫もいます。
そもそも、服帯あるなしに関わらず、傷をなめようとする猫もいれば、全く気にしなし猫もいますし、とっても気にして何が何でもなめたがる猫もいるのです。そのとてもなめたがる猫がこの場合、頑張って腹帯のすきまに顔を入れてなめてしまうようです。
このケースは、すぐに獣医師に相談しましょう。
なめ続けると、傷口が開いてしまったり、治るのが遅くなります。
対処法は、服帯がゆるくなっているようであれば、きつく作り直してもらったり、エリザベスカラーを着けていない猫は服帯に加えてカラーも一緒に着けてみることです。
また、カラーだけ着けていて、傷口に口が届ていてしまう場合は、カラーの長さを少し長いものに代えてもらったり、服帯も一緒に着せてみるとよいでしょう。
なめすぎてハゲちゃった
「傷口以外の皮膚だからなめてても大丈夫!」と思っている方も多いと思いますが、
猫の舌はザラザラしているので、長時間なめると脱毛したり、擦り傷のように赤くなってしまうことがあり、最悪の場合、皮膚炎になってしまうことがあるので注意してください。
多くがストレスでお腹や股のあたりをハゲにしてしまいます。
もし、一日のうちに何度も同じ部分をなめている姿を目にしたり、お腹をなでている時に脱毛を見つけたら、獣医師に相談しましょう。
なめないようにエリザベスカラーを着けたり、抗炎症薬などの薬を服用しなければならないかもしれません。
まとめ

どうしても傷口が気になってなめたがる猫は多いため、気にしている様子があれば、なでてあげたり、遊んであげたりして、気を紛らわせてあげて下さい。
また、エリザベスカラーがストレスになることも多いですが、装着していないと朝起きたら傷が開いていたなんてこともザラです。手術の傷の治りが悪いと時間がかかり、さらに猫への負担も大きくなります。できるだけ早く傷が治るように、不安なことは動物病院に相談しながら、一緒にがんばりましょう。