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夏場の避妊手術は傷が化膿するからダメ?季節による手術の是非とは。

2016.08.17
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「猫の避妊手術って、夏は控えたほうが良いですか?」 こんな質問を受けることがあります。 「いやいや、特に季節は関係ないですから大丈夫ですよ。」 お答えするのですが、どうしてもみなさん心配な様子。 ではなぜ大丈夫なのか、お答えしていきたいと思います。

夏場の暑い時期でも手術の傷が化膿しないのはなぜか?

猫 手術をすればどんな場合でも感染のリスクがあります。 そのため、感染を最大限に防ぐために通常は抗生物質などの薬剤を使用して予防しています。万が一感染があったとしても適切な薬剤によって菌の繁殖が抑えらるように配慮しているのが通常ですから、普通は心配する必要がないのです。 人でも季節関係なく手術しますし、それは猫でも犬でも一緒です。 お腹の中は滅菌された手術器具で丁寧に手術されますし、皮膚表面も極力無菌状態に近いところまで消毒してありますから皮膚の縫合においても問題はほとんどないのです。 「猫は傷を舐めるから化膿しやすいのでは?」 とのご意見もいただきますが、心配なのは舐めるよりも傷を猫自身が傷をかじって広げてしまった場合のみでしょう。 犬よりも猫のほうが手術創を口でいじる可能性がやや高く、その点については腹帯やエリザベスカラーなどの保護具を装着する配慮が必要になりますが、たいていの動物病院なら抗生物質の使用とともに保護具も併用しているので、まず問題は起こらないでしょう。 しかも大切なのはこの心配は季節に全く関係ないということです。 温度上昇や傷周囲の蒸れなどで感染リスクが上がるということはありませんので安心してくださいね。

夏でも避妊手術を勧める理由

猫 「万が一のことがあったら嫌なので夏場の手術は避けたいのですが。」 とのご意見をいただいた時にお話ししているのは、 「この子にとって最も手術に適した時期に行うので、できれば延期せずに早めに手術したほうが良いでしょう」 とお答えしています。 その子にとって最も適した時期とは? それは若いうちである6ヶ月齢以上1歳未満くらいの初回発情を迎えていない時期です。 そのタイミングが真夏に合致した場合、季節に関係なく避妊手術をお勧めしているのです。 また、猫は『季節性の多発情動物』であり、春先から秋頃まで周期的に発情を繰り返します。その中でオスと出会って交尾すればほぼ確実に妊娠しますので、特に夏場の発情期に早く手術を終えて必要のない繁殖を防ぐ必要もあるのです。

万が一傷が化膿した場合は特殊なケースと思って

猫 前述したとおり、化膿するケースというのは猫自身が傷をかじったりした場合のみといっても過言ではありません。こうなると自傷部分は炎症を起こし、抗生物質などの薬剤で防ぎきることができなくなります。 ただ、獣医師としては猫がこうやって術創を自傷してしまう可能性を常に予測していますので、腹帯を着せたりエリザベスカラーを装着して、嫌がっても外さないようにお願いしています。 通常は腹帯のみでも防ぐことが可能で、傷が露出していなければ自傷することはないでしょう。

まとめ

猫 術創が化膿するリスクというのは0%ではありません。それは人も動物も一緒です。 でも、適切な手術と適切な術後管理を行えば、季節が影響して化膿することはありません。 1年中いつでも、その子が避妊手術に必要な時期であると勧められた時におこなってあげると良いでしょう。
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