オス猫は去勢手術で精巣を取り出します。
その精巣は尻尾を挙げるとしっかり二つ付いていますね。
しかし、オス猫の陰茎ってどこにあるかわかりますか?
他の動物と比べるとわかりにくいですが、「オス」ですのでもちろんちゃんとついています。
では、去勢手術でこの陰茎にはどんな変化があるのでしょうか?
意外と知らないオス猫の生殖器。
去勢手術を行う前に、オス猫の生殖器というものについて一度復習をしてみてはいかがでしょう。
子猫の生殖器
産まれて間もない子猫は、オスかメスか結構わかりにくいものです。
(犬は人と同じく一目でわかります)
というのも、
オスでもメスでも外見上の生殖器は小さな穴が開いているだけ。
でも、陰茎はその中にしっかり納まっています。
また、産まれたばかりのオス猫は、精巣がまだお腹の中に存在しており外からは触ることができません。
ですので、産まれたばかりの子猫の雌雄は、肛門と陰茎(メスなら外陰部)までの距離や、その微妙な形の違いで見分けなくてはいけません。

3か月齢のオスの子猫。
このくらいの月齢になると、精巣もだいぶはっきりしてきて、オスだとわかりやすくなりますね。
オス猫の精巣
先程お話したように、産まれたばかりのネコの精巣はお腹の中に存在しています。
その後成長とともに、精巣は自分が分泌するテストステロンというホルモンの働きで、自然と体の中を少しずつ移動していきます。
通常はだいたい
生後20日程度で体の外に完全に出て、陰嚢の中へと入ります。
麻布クリニックは12月29日を持ちまして閉院し、月島クリニックと統合いたしました
そして、
オス猫が性成熟を迎えるのはおよそ8ヶ月齢。
早い猫では5ヶ月齢から、遅い猫でも8ヶ月齢には精巣内で精子がつくられるようになります。
そのため、去勢手術は6ヶ月齢前後を推奨しており、手術で取り出すのはこの二つの精巣のみになります。
オス猫の陰茎

オス猫の陰茎は普段包皮に包まれており、自ら露出することはほとんどありません。外に出すことができるのも数センチ程度です。
そのため、オス猫を飼っていても、通常は生涯目にする事が無いかもしれませんね。
また、特徴として、性成熟をしたオス猫は陰茎に細かいトゲが生えています。
この陰茎棘というトゲは、猫が「交尾排卵」と呼ばれる動物であるがために必要となります。
メス猫は発情期を迎えても、ヒトのように定期的な排卵があるわけではなく、メス猫の排卵は交尾による刺激が引き金となって初めて起こります。
そのため、
交尾刺激をあえて強くして、メス猫の排卵を確実に促すために、陰茎にはトゲがついているという訳です。
去勢手術で陰茎には手を加えませんが、雄性ホルモンの働きが無くなることで、
この陰茎のトゲは次第に消失します。もちろん日常生活に支障はありませんよ。
まとめ
生殖器の話となると、ついつい敬遠しがちになりますが、これから手術を考えるのであれば、知っておいて損はありません。
猫を飼っている方、猫をこれから飼いたい方には、猫についてどんどん興味をもってもらって、「いつもと違う?」と感じる所は獣医師と一緒にぜひ解決していってもらえたらと思います。