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猫の去勢手術後の3日間の日常生活。

2016.06.20
オス猫の去勢

獣医師と猫

オス猫の去勢手術を考えている飼い主さんは、いろいろと不安に思うことがあるでしょう。 手術の安全性、手術の費用、手術の日程はいつがいいか、手術前の絶食の仕方、などなど。 その中でも、手術後に退院してから家でうまく管理できるのか?というのも心配な点だと思います。 そんな方たちのために、オス猫の退院後の家での様子の一例を、時間軸で飼い主の気持ちと猫の行動についての獣医師目線の意見を述べていきます。

退院後1日目

猫が寝ている

退院した直後の日。 15:00 猫は家に帰ってきたらすぐにケージから出て、定位置のベッドでぐっすり眠りに入ってしまった。

(①飼い主の気持ち・・・眠っているのは、傷口が痛いから?苦しいからなの?) 19:30 2・3時間続けて寝て、起きたので、ごはんを目の前に持っていったが、一口食べてやめてしまった。オヤツは出したらゆっくりだけど完食した。

(②飼い主の気持ち・・・いつもしっかり食べるごはんを少ししか食べないなんて、やっぱりツラいのかな?) 21:00 いつもよりもじっくり毛づくろいをしている。お腹、腕、背中、お尻と続けて、陰部の手術した傷口付近も舐めている。慌てて止めに入った。

(③飼い主の気持ち・・・傷口が痛いのかしら?) 22:00 また朝までずーっと寝ていた。

①家に帰って熟睡するのは、慣れない病院で過ごして疲れたため、安心な場所でホッとして眠った、という可能性があります。

②帰った直後は手術後の疲労で食欲が落ちることがしばしばあります。オヤツを食べられるのであれば、比較的安心できるでしょう。

③毛づくろいは、猫の自身の身体についた病院の臭いや消毒薬の臭いが気になり、じっくり舐めることが多いです。傷口を舐めること自体は傷の状態を悪化させます。しかし、1・2回舐める程度であれば、毛づくろいの一環で問題はないでしょう。1分以上舐め続けるのは、確実に傷自体を狙って舐めているので止めなければなりません。

退院後2日目

猫が遊ぶ

7:00 朝はいつもよりゆっくりと起床。いつもより控えめだけど、ごはんのお皿の前でフードを待ってる。ゆっくりと時間をかけてごはんを完食した。

(④飼い主の気持ち・・・昨日よりは元気出てきたのかな?) 8:00 仕事に行くので、猫は一匹でお留守番。

(⑤飼い主の気持ち・・・一匹で大丈夫かな?) 18:00 帰宅したら、テーブルの上に置いていた人形が床に落ちている。置いて行ったオヤツはちゃんと食べていてなくなっていた。お尻の傷口が少し赤くなっているかも。寝ていたベッドにも小指の先ほどの大きさの血がついていた。

(⑥飼い主の気持ち・・・元気ないように見えて、ちゃっかりテーブルに上がったりして動いていたのかな?でも傷口から出血しているかも?でも気にしていないようだけど、大丈夫?) 19:00 夜ごはんは完食! 21:00 いつも通り就寝。

 

④退院してからなかった食欲や元気も徐々に出てきます。

基本的には去勢手術後は一匹で過ごしても問題ありません。飼い主さんが思っている以上に元気に過ごしてくれる仔も多いです。

⑥傷の赤みは術後はよくあります。そして、傷口からの少量の出血も意外とありえます。傷口の中に溜まっていた血液や傷が少しだけ開いたときに、少量の出血があるでしょう。しかし、持続的に傷口から垂れるような出血は、血管を縛っている糸がとれてしまった可能性や、猫は執拗に舐めて傷の癒合を邪魔している場合があります、その際は、早めに動物病院に相談しましょう。おそらくエリザベスカラーを着用することになるでしょう。

退院後3日目

  今日は動物病院に傷口を消毒しに行く日。 9:00 病院に連れていくために、キャリーに猫を入れようとすると、そそくさと逃げてしまう。小一時間かかってやっとキャリーに入れることができた。

飼い主の気持ち・・・前はすんなり入ってたのに、なんで?) 11:00 獣医師から傷の具合は問題なく、しっかりくっついて治っていると言われた!でも、猫は終始震え、キャリーに一生懸命入ろうとしていた。

(⑧飼い主の気持ち・・・体調は問題なく、去勢手術が終了して安心!でも、前より猫が診察台の上で緊張しているみたい)

 

キャリー=病院に行くという記憶が残っているのでしょう。すんなり入れたいのであれば、病院とは言わずに、キャリーも目の前に出さずに、サッと寝ている猫をだっこしてすぐにキャリーに入れると気付かれて逃げられることもないはずです。

⑧病院に来ると、また病院に置いてかれちゃうかも!という不安な気持ちになる猫も多いようです。

まとめ

意外と問題なく元気に過ごせる猫が大半だと、私は思います。 しかし、今回の猫は一例です。 猫の様子、傷の様子について心配な時は、様子を見ずに獣医師に相談しましょう。

 
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