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【オス猫の去勢手術】術後のよくある5つの勘違い

2016.06.06
オス猫の去勢

このブログを読んでいただいている方の中にはご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、このブログを書いているのは、今日も動物病院で実際に診察している獣医師です。 ですので、他のインターネットの記事や実際の本などとは、ちょっと違ったことを書いているかもしれませんが、それは私たちの経験則をお伝えしているからかもしれません。 今回お話ししたいのは、よくある去勢手術後の勘違いについてです。 もしかしたら動物病院で言われたことと違うことが書いてあるかもしれませんが、あくまでも経験則なので、そのあたりご了承ください。

術後すぐにダイエットフードにしない

去勢手術を行ったオス猫は一定の確率で肥満になりやすくなります。 したがって、去勢手術後の猫に肥満予防用の食事を与えるのは決して悪いことではありません。 petto hu-do ただし、注意していただきたいのが、術後すぐに与えるのは避けた方がいいと思います。 去勢手術後はたいていの猫がストレスを感じて退院します。 猫はストレスを感じると食欲がすぐ落ちやすくなるのですが、その上ほとんどの肥満予防用の食事は嗜好性がおちるので、よけいに食べなくなってしまうからです。 また、肥満予防用の食事は、もともと栄養素を制限している食事なので、食事量が落ちている場合に食べさせていると、思わぬ栄養不足からくる疾患にかかる可能性があります。 体重が増加する猫は、おおよそ術後2~3か月で増加していきますので、そのころに食事の変更は検討してください。

カラーは大概の場合はつける必要はない

術後の傷口を舐めないようにエリザベスカラーというものを着用することがあります。 動物は人間と違い、傷口を自分で保護するようなことはしません。 過度に舐めてしまうことによって、傷口を腫らしたり、場合によっては自分で抜糸をしてしまったりします。 カラーを付けることによって、それを防止するのですが、問題としてはカラーの着用は猫にとてもストレスを与えることになります。 術後いつもよりストレスを感じている上に、ストレスがかかるようなことをすれば、術後の回復はより遅くなることになります。 カラーしている猫

ただ、多くの飼い主様が思っていらっしゃるほど、去勢による傷口は大きくなく、また術後翌日にはほぼ癒合しています。 したがって、エリザベスカラー自体が必要ではありません。 経験上、エリザベスカラーが必要な猫は本当にごくわずかなので、去勢手術後のエリザベスカラーの着用は基本的に必要がないと思っていてください。

発情行動は速やかにおさまる

飼い主の皆様が、去勢手術を決断する際の一つの理由として、発情が起こってしまったからというのがあげられます。 実際、オス猫が発情をすると、夜通し独特の雄叫びを発するので、寝不足となり、去勢を緊急にご希望される方もいらっしゃいます。 発情行動は去勢手術後に一定の期間を経ておさまるとよく言われますが、経験上翌日からおさまります。 ですので、もし発情をすぐにでも抑えたいのであれば、すぐに去勢手術を行ったほうがいいと思います。

性格はすぐには変わらない

オス猫のしつけという面で、去勢手術を行う方もいらっしゃいます。 確かに、去勢手術後はいくつかの行動が変わることはありますが、基本的には発情行動に絡んだ行動がなくなるだけです。 前述の雄叫びや、マーキングなどは速やかに落ち着きますが、基本的な性格は落ち着きません。 やんちゃな性格を何とかしたいから去勢をしたいと思っても、それはあまり期待しないほうがいいでしょう。 yanchananeko

去勢をしても、やっぱりけんかをする猫はその行動はかわりません。 人間側の何らかの努力で何とかするしかないでしょう。

安静はそれほど必要ない

先ほども書きましたが、動物は自分で傷口の保護をしてくれないので、安静のため、ケージやサークルに数日入れておくことが、必要になります。 ただし、猫の去勢手術に関していえば、傷口も大きくなく、特に出血の心配などはありませんので、ケージレスとは必要ありません。 普段通りの生活を送らせて結構だと思います。

まとめ

去勢手術は、全身麻酔を使用し、猫にストレスを与えるということ以外は、基本的にはあまり術後の心配をしなくてもいいと思います。 よく翌日会社なので見てあげれれないと言って心配される飼い主様もいらっしゃいますが、つきっきりの介護は必要ありません。 猫なりに任せておけば大丈夫です。 ですので、気楽に去勢手術は検討してたいただいてもいいと思います。    

 
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