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オス犬の去勢は保険適応になる?ならない?

2016.06.03
オス犬の去勢

ペット保険発展の歴史

お金と電卓

動物病院の治療費はみなさん高いと感じますか? 動物医療が近年さらに高額化してきていることは、動物病院にかかられたことのある方なら少なからず感じていることでしょう。 原因としては、昔にはほとんど見られることがなかった動物における専門医療が発展し、高度医療化してきていることが大きいと思われます。そして、飼い主側もペットを家族として認識し、お金を払って治るなら出来る限りの事をさせてあげたいという願いから負担費用が高額化しているとも言えるでしょう。 もちろん元々動物医療はサービス業の一環であり自由診療という部類に分けられますので、人のような保険診療はできません。それにより「動物病院は費用が高い」という世間のイメージは昔からありました。 しかし、2000年頃から損害保険という形で保険会社がペット向けの保険商品を発表し、その後急速に発展してきたのです。 今現在ではペットの保険はほぼ当たり前のように認識され、多くの方が加入しています。 また、大半の病院で保険証を提示すれば窓口精算までできるようになっています。

保険加入者が気になる「去勢手術は保険適応になるのか?」

犬の去勢手術は、オス犬を飼われる方でまず最初にかかる高額出費(高額と感じるかは人それぞれの感じ方次第ですが)と言ってよいでしょう。 術前検査、入院手術、その後の通院。平均で4〜5万円は予定しておくべき費用になります。 そこで気になるのが、「去勢手術は保険適応になるのか?」ということ。

保険の計算

早速答えさせていただきますと、「去勢手術は保険適応にならない」が正解です。 保険加入に当たってはどこまでが適応で何が適応外か確認される方も多いと思いますので、ご存知の方も多くいらっしゃることでしょう。 去勢手術に関する手術の中には様々なパターンで保険適応外になりますのでご注意くださいね。

例えば、

  1. 停留睾丸(鼠蹊部または腹腔内)
  2. 陰嚢ヘルニア

 

以上のようなケースは元々病気とは認識されておらず、先天性異常とみなされますので注意が必要です。それなのに、動物病院での手術は通常の去勢費用に比べてだいぶ高額になると予想され、あらかじめ覚悟しておかなくてはなりません。 しかし、ここで特記事項が。 なんらかの疾病にかかり、その治療の一環として去勢手術を行う場合は保障の対象となり、保険が適応される場合があるのです。 それでは、いったいどんな疾病が去勢手術に対しての保険適応に該当するのでしょうか?  

保険適応になるかもしれない疾病

フレンチブルドッグ

  1. 会陰ヘルニア手術の一環としての去勢
  2. 精巣腫瘍
  3. 精巣炎
  4. 症状のある前立腺肥大治療の一環としての去勢

 

例として上記のような疾病が去勢手術の保険適応疾病に当たると思われます。 これ以外にも特殊な病気もありますからこれだけとは限りませんし、まずは保険会社に確認されることが必須だとは思いますが、獣医師としてよく遭遇するケースが上記のような疾病になります。

まとめ

チワワ2頭

いかがでしたか? 病気になってその一環として去勢手術が保険適応になっても、愛する我が仔が病気になってしまったことの方が悲しいわけですから、去勢費用が保険適応になってラッキー、なんてことはその時には思いもしないでしょう。 ですが、保険に入られている方の認識として冷静な時にあらかじめ知っておいてもらえれば、との思いで今回は書かせていただきました。   *注意事項)私は動物病院の獣医師であり、各保険会社のすべての保障内容を熟知しているわけではありません。保険の一般的な傾向をお話ししているだけあり、保険に関する文章への責任は負いかねますので何卒ご了承ください。

 
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