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去勢手術後のストレス行動。やっぱり猫は繊細な生き物!!

2016.05.30
オス猫の去勢

猫の飼い主様であれば知ってらっしゃるとは思いますが、猫はがんらい繊細な動物です。 去勢手術のような簡単な手術でも、そのストレスの影響は非常に大きく、せっかく手術は成功しても、ストレスからくる体調不良をよく起こします。 今回は猫の去勢手術後に自宅で起こった、ストレス由来であろう不具合をご紹介します。

帰ったら食欲がない

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割と多くの猫が、帰宅後すぐに食事をしませんが、特にこれといった治療法はありません。 猫は絶食状態が続くと、肝リピドーシスという病気になってしまうと一般的には言われてはいますが、こういったケースで重篤になったことは一度もありませんでした。 過去に退院後、1週間ぐらいは全く飲み食いをしなかった猫もいます。その時はさすがに心配したのですが、ある日突然何事もなかったかように食べだし、それから2日ほどで普通の状態まで戻りました。 もちろん手術入院で特に問題があったわけではありませんでしたので大丈夫だとは思っていたのですが、食べない姿を見ると少し不安になりました。

ずっと寝ている

決して調子が悪く寝込んでいるというよりは、ただただ寝ている時間が長いという飼い主様が非常に多くいます。 入院中に緊張してほぼ寝ていない猫も多いので、そういったことが要因だと思います。 基本的には時間が解決してくれます。

暗いところにじっとしている

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猫は身の危険を感じると「フリーズ」という行動をとります。 この現象は、猫が本能として持っているもので、野生の環境においては、身の安全が確保できるまで、文字通り固まった状態で3日から7日ほど、物陰などに潜みます。音などの刺激にも全く反応しません。 自宅の暗いところでじっとしているのは、こういった本能行動によるものだと思われます。 猫本人が、安全を感じればじきに動き出しますので、様子を見ていただくしかありません。

いつもしないような場所で粗相をした

ほとんどの猫が、病院の中では警戒して排尿は極限まで我慢しているうえに、トイレもいつもと違うものを使用することが多いと思います。 結果として退院後に膀胱炎になる猫が多く、自宅での粗相が多くなることがあります。 経験上数日で落ち着きますが、その後もトイレではないところで排尿をする癖が残ってしまう場合もあります。

便がゆるくなる

ストレスを受けた猫で、たまにある症状です。 基本的には自宅に帰れば1,2日で速やかに回復するので、慌てず経過をみてもいいとは思います。

カラーを嫌がる

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傷口を舐めないようにするエリザベスカラーは、猫にとってストレス極まりないものになります。 猫によっては無理やり外そうとして、かえって爪を折ったりなど、けがをしてしまう場合もあります。去勢の傷口はかなり小さいものですので、あまりにもストレスが多いようであれば、エリザベスカラーを外してしまったほうがいい場合が多いと思います。

薬を吐く

他院後に処方される薬を飲ませるのも、猫の場合は一苦労です。 薬を混ぜたとたんにご飯を食べなくなったり、無理やり飲ませると、吐いたり、よだれがとめどもなく垂れるようになったりと、犬に比べると非常に飲ませにくい動物です。 そういった場合は、あくまでも獣医師に指示には従ったほうがいいとは思いますが、内服を飲ませるのをやめてみてもいいかもしれません。

まとめ

何回かこのブログでもご紹介させていただいているとおり、去勢手術はそれほど難しい手術ではありませんし、その有用性も非常に高いと思います。 しかし、猫自体に与えるストレスを避けることはできません。 できる限り本人の負担をできるだけかけないような作戦を練ることが、「猫」には必要なことだと思います。

 
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