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猫の去勢後、傷をなめてしまった時の対処法!

2016.05.23
オス猫の去勢

去勢手術が終わり、家に帰ってきてから、心配になる点と言えば、 「傷をなめないか?」 ということが多いと思います。 もし、なめたらどうしたらいいの?ほっておいてもいいの? いろいろと疑問点はあるでしょう。 よく飼い主さんたちから聞かれる質問もふまえて、ご説明していきます。

なめる猫もいれば、なめない猫もいる

「うちの猫、傷なめますか?」 という質問をされる飼い主さんがいますが、実際は猫によってそれぞれで、猫の様子を見てみないと、獣医師にもはっきりとはわかりません。 ただ、術後の病院で預かっている間に傷口をなめようとするしぐさをする猫は、家に帰っても大抵なめるので、なめ防止方法をお教えします。 しかし、病院内では緊張でうまく動けなくて家に帰って急に傷をなめ始める猫もいるので、絶対ねめないとは言い切れません。

傷に包帯はできません

包帯 「傷口に包帯をしてもらえませんか?」 と飼い主さんにお願いされることがありますが、残念ですが、包帯はできないんです。 傷を包帯で覆ってしまえば、なめられる心配もない!ということでお願いされていると思います。メス猫の避妊手術でも包帯をしたりしますしね。 しかし、オス猫の去勢手術の場合、傷になる部分のすぐ近くにおしっこが出る部分や便が出る肛門があり、傷が不衛生になってしまいます。 オス猫の去勢手術は、位置的に肛門のすぐ下、陰茎のすぐ上にある、睾丸の皮膚を切開して中の精巣を取り出す手術です。 そのため、どうしても傷が肛門・陰茎のすぐ近くに位置してしまい、傷に包帯をつけると、包帯に尿や便がついてしまい、不衛生で傷の治りを妨げてしまうからです。また、傷の位置的にも包帯がずれやすいで、効果はあまり期待できません。

対処法はエリザベスカラーの着用

カラーしている猫

それなら、傷をなめてしまった時は、ずばりエリザベスカラーの着用が一番でしょう。 物理的になめる行動を制限するにはカラーを着けるしかないです。 日中の飼い主さんが仕事に行っている間も、夜中寝るときも、カラーを着用させるべきです。 とくに飼い主さんが見ていられない時間帯はこっそりなめることが多いので、忘れずにつけてあげましょう。

傷が治らないことがかわいそう

猫の舌

しかし、カラーの着用は猫の飼い主さんたちは逆に他のことが心配でしょう。 「カラーを着けることでストレスになってかわいそう」 と仰る飼い主さんも多いです。 確かに、私もエリザベスカラーの着用でほとんどの猫がストレスを感じると思います。 とは言っても、猫が傷をなめている様子をほっておくわけにはいきません。 少しなめたら止めるかな?と思っていたら、ずーっとなめていたりします。 猫のザラザラの舌でなめ続けていたら、どんどん傷口の状態が悪化し、本来数日で治る傷も治りません。 そのような痛痒い状態を続けさせてしまう方がかわいそうなのです。カラーは約1週間の辛抱と思い頑張ってみましょう。

カラー着用時のポイント

カラー着用での生活にはポイントがあります。

  • エサの器は少し高めの台の上にのせてあげると食べやすい。
  • いつもより周囲の家具にカラーが当たって動きにくいので、生活スペースには余計なものは置かない。
  • フードをあげる時、見ていられる時はカラーを外してもよいが、着け直す時に嫌がってつけさせてくれない猫も多いので、はずずかどうかは猫の性格をよく考えてから。
  • カラーを着ける時はきつくなり過ぎないように、カラーの首周りに人の指が2・3本入るくらいの余裕をもたせてあげる。

なでられる猫

また、カラーを着けただけでパニックになり暴れだしてしまうような敏感な猫は、カラーの着用が猫のためにとって本当に合わない場合があります。 その際は、すぐに外してあげてください。 面倒だと思いますが、なめないように四六時中様子をみてあげて、なめたら、なでてあげたりと紛らわせてあげてください。もしくは獣医師に相談してみましょう。 薬で少しでも傷の治りを助けてかゆみを抑えるか、再度入院してなめないように様子をみてもらうか、などなど、その猫に合った解決策を考えてくれると思います。

 
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