「うちは室内中心の生活だから、蚊に刺される可能性は低いのでは」「都市部は自然が少ないから、蚊も少ないはず」そう思われる飼い主様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、犬は毎日の散歩やちょっとした外出で外に出る機会があるため、都市部でも蚊に刺される可能性は十分にあります。
公園や植え込み、草むらの近くはもちろん、ベランダや玄関まわりのわずかな水たまりでも蚊は発生します。気づかないうちに刺されてしまうこともあるため「都会だから安心」とは言い切れません。
そこで今回は、犬が蚊に刺されやすい場所や時間帯、日常生活でできる工夫、そしてフィラリア予防についてご紹介します。

■目次
フィラリアは、蚊を介して感染する寄生虫の病気です。
蚊が犬の血を吸うときに幼虫が体内へ入り込み、成長すると心臓や肺の血管に寄生して、体に負担をかけるようになります。
▶︎フィラリア症についてはこちらで解説しています
注意したいのは、感染が「何度も刺されることで起こる」というより、1回の吸血でも起こる可能性があるという点です。
そのため、散歩中や外出時にできるだけ蚊に刺されにくくする工夫と、予防薬による対策の両方が大切です。
都市部であっても、蚊はさまざまな場所にいます。ポイントは「自然が多いかどうか」ではなく、蚊が増えやすい環境(湿気・日陰・少量の水)があるかどうかです。
🔶 散歩中によく通る場所
公園の植え込みや草むら、落ち葉がたまりやすい場所、風通しの悪い通路などは、蚊が潜みやすい環境です。特に、雨上がりの翌日や湿度が高い日は、同じ散歩コースでも刺されやすくなることがあります。
🔶 マンション周辺や建物まわり
共用部の植栽、排水溝の近く、日陰になっている通路なども注意したい場所です。
「家のすぐ近くだから安心」と思いがちですが、短時間でも蚊に遭遇することがあります。
🔶 玄関・ベランダ
植木鉢の受け皿、エアコンの排水、排水口の詰まりなど、わずかな水でも蚊は発生します。
さらに、ドアの開閉時に外から入り込み、そのまま室内に留まることもあります。
蚊に刺されやすいかどうかは、場所だけでなく時間帯にも左右されます。
蚊は強い日差しや乾いた環境を苦手とするため、日が高い時間帯は、朝や夕方に比べると蚊に遭遇しにくいことがあります。
しかし、蚊の活動が活発になる時期は気温も上がりやすく、日中の散歩では熱中症のリスクにも注意が必要です。特に春から初夏にかけても、日差しの強い日や急に暑くなる日は無理をしないことが大切です。
気温の面では散歩しやすい朝や夕方ですが、蚊はこの時間帯に活動しやすくなります。
特に湿度が高い日や風が弱い日は、街灯の下や公園の植え込み付近、建物まわりなどで短時間でも刺されることがあります。
朝夕に散歩することが多い場合は、ルートを工夫するだけでもリスクを下げられます。
草むらや植え込みの近く、湿った日陰、水がたまりやすい場所をできるだけ避け、風通しの良い道を選ぶことがポイントです。
このように考えると、犬にとって散歩しやすい時間帯は、蚊にとっても活動しやすい時間帯と重なりやすいことがわかります。
そのため、時間帯やルートを工夫することは大切ですが、それだけで完全に防ぐことは難しく、予防薬による対策も欠かせません。
日常生活の中でも、蚊に刺されるリスクを減らす工夫ができます。
🔶 家のまわりに「発生源」を作らない
ベランダや玄関まわりで水がたまりやすい場所を定期的に確認しましょう。
植木鉢の受け皿、エアコンの排水、排水口の詰まりなどは、気づかないうちに蚊の発生源になることがあります。
水がたまったままにならないよう、こまめに片づけたり流したりすることが大切です。
🔶 室内への侵入を防ぐ
蚊は、玄関の開閉や換気のタイミングで室内に入り込むことがあります。
網戸の隙間や破れがないかを見直し、ドアを開けっぱなしにしないなど、侵入経路を減らす工夫をしましょう。
🔶 散歩後に体の様子を見てあげる
散歩後に皮膚を軽くなでながら、赤みやかゆがる様子がないか確認する習慣をつけるのもよいでしょう。
毎日のちょっとしたチェックが、体調変化に早く気づくきっかけになります。
日常の工夫で蚊に刺されるリスクを減らすことはできますが、完全に防ぐのは難しいのが実際のところです。
そこで重要になるのが、フィラリア予防薬です。
予防薬は、体内に入ったフィラリアの幼虫を駆除する役割があります。
つまり、蚊に刺されないように気をつけるだけでなく、万が一刺されてしまった場合に備える対策として欠かせません。
また、予防は期間も重要です。
蚊が見えなくなったからといってすぐにやめてしまうと、感染のリスクが残る可能性があります。
地域や気温に応じて適切な期間を守り、最後まで継続することが大切です。
フィラリア予防を始める前には、まず検査を受けていただくことが大切です。
というのも、万が一すでにフィラリアに感染している状態で予防薬を使うと、体調に変化が出ることがあるためです。嘔吐や下痢、元気がなくなるといった症状が見られることがあり、まれにアレルギー反応のような症状が出るケースもあります。
そのため、フィラリア予防は「まず検査をする → 問題がないことを確認する → 予防を始める」という流れで進めていくのが基本です。
▼フィラリア予防の前に検査が必要とされる理由についてはこちらで解説しています
当院では、フィラリア検査とあわせて予防のご相談も承っています。
また、現在はフィラリア予防に関するキャンペーンも実施しておりますので、詳しくはスタッフまでお気軽にお声がけください。
▶︎「フィアリアキャンペーン」の詳細についてはこちらをご覧ください
都市部でも、犬が蚊に刺されるリスクは日常の中にあります。
公園や植え込みだけでなく、玄関やベランダ、建物まわりなど、思いがけない場所がきっかけになることもあります。
また、散歩しやすい朝や夕方は、蚊も活動しやすい時間帯です。
一方で、日中は蚊に遭遇しにくいことがあっても、これからの時期は熱中症のリスクが高まるため、時間帯だけで安心できるわけではありません。
そのため、蚊が多そうな場所を避ける、家のまわりの環境を整えるといった工夫をしながら、予防薬を適切に使い続けることが大切です。
「うちは大丈夫」と思わず、愛犬を守るための予防をぜひ見直してみてください。
迷ったときは、どうぞお気軽にご相談ください。
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最終更新:2026年4月