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フードを食べにくそうにしている…それ、病気のサインかも?シニア犬・猫の口・舌・顎トラブルに要注意

2026.02.27
犬の病気猫の病気

「最近、フードをあまり噛まずに飲み込んでいる気がする」「フードをよく残すようになった」こうした様子は、シニア期に入った犬や猫でよく見られる変化のひとつです。

年齢を重ねれば、食べ方が少し変わること自体は珍しくありません。ただ、その変化を「歳のせいだから」と受け止めてしまうことで、本当は痛みや病気が隠れているサインを見逃してしまうこともあります。

そこで今回は、シニア犬・猫に多い「食べにくそうな様子」の原因と、飼い主様が気づいてあげたいポイントについてわかりやすく解説します。

■目次

 

よくある「食べにくそうな様子」とは?


食べ方の変化は、毎日そばで見ている飼い主様だからこそ気づける大切なサインです。
よく見られる変化としては、次のようなものがあります。

フードを残すようになった
食べるのに時間がかかる
途中で食べるのをやめる
口をクチャクチャ、ペチャペチャさせる
片側ばかりで噛んでいる

犬では、今までしっかり噛んでいたのに、急にカリカリを丸呑みするようになったり、歯磨きを嫌がるようになったりするケースがあります。
猫では、食後に顔を振る、舌を気にする、よだれが増えるといった様子が見られることもあります。

「食欲はあるから大丈夫そう」「高齢だから仕方ないかも」そう考えて様子を見る飼い主様は少なくありませんが、実際には治療によって楽に食べられるようになるケースも多くあります。

 

シニア期に多い「お口のトラブル」


食べにくさの背景には、さまざまなトラブルが隠れていることがあります。

〈歯・歯ぐきのトラブル〉

シニア犬・猫で最も多いのが歯周病です。
歯ぐきが腫れたり出血したり、歯がグラつくことで強い痛みが出ます。口臭が急に強くなったと感じるときは、歯周病が進行しているサインかもしれません。歯周病が進むと、歯の根元に膿がたまる歯根膿瘍につながることもあります。

また、歯が折れてしまう歯の破折や、すり減って神経が露出する歯髄炎が起きているケースもあります。

見た目では分かりにくくても、噛むたびに痛みを感じていることがあります。

▼歯周病、口内炎についてはこちらで解説しています


▼歯根膿瘍についてはこちらで解説しています

 

〈顎関節や骨のトラブル〉

顎の関節に異常があると、口を大きく開けづらくなったり、開閉時に痛みが出たりします。
また、顎の骨そのものに炎症や腫瘍(骨のがんなど)ができることもあり、食欲低下や顔に触られるのを嫌がるといった変化につながります。

こうした異常は外からは分かりにくく、レントゲン検査などで初めて見つかることもあります。

〈舌や口の粘膜のトラブル〉

舌そのものに炎症が起こる舌炎や、口内炎・潰瘍(ただれた傷)ができると、フードを食べたくても痛くて食べられない状態になります。よだれが増えたり、舌を出したままにする様子が見られたりすることもあります。

また、神経のトラブルによって舌の動きが悪くなる場合もあります。食べ物をうまく口の中で動かせず、こぼしてしまうといった変化がサインになることもあります。

舌の下に膿がたまる病気(唾液腺のトラブル)や腫瘍も、シニア期には注意が必要です。

▼口腔内腫瘍についてはこちらで解説しています

 

「老化」だけでは片づけられない変化に気づく


シニア期になると、筋力や感覚の衰えにより、若い頃とまったく同じように食べられなくなることは自然な変化でもあります。

しかし、注意していただきたいのは、

急に食べにくくなった
ここ数週間で食べ方が変わってきた
いつものフードなのに嫌がるようになった

といった、“時間軸の変化”です。

たとえば、数年前から少しずつ食べる速度が落ちている場合と、ここ数日~数週間の間に急に食べられなくなった場合では、考えるべき病気の優先順位が変わってきます。

また「柔らかいフードなら食べる」「大好きなオヤツだけは頑張って食べようとする」など、選り好みが急に目立ってきたときも「味の好み」だけではなく「その形状だと痛みが出る」といった背景がないかを確認する必要があります。

歳だから仕方ないと決めつける前に「以前のその子の食べ方」と比べてどう変わったかを、一度立ち止まって振り返ってみてください。違和感が強いほど、早めの受診が愛犬・愛猫のためになる可能性が高くなります。

 

おうちでできるチェックと工夫


まずは、いつもの食事をしながら次のようなポイントを意識して観察してみてください。

フードを口に運ぶとき、いつもよりためらいがないか
✅ 食べている最中に片側の歯ばかり使っていないか
✅ 口の中でクチャクチャさせたり、食べながら顔を振ったりしていないか
✅ 食後に前足で口元をこする、床や家具に口をこすりつける様子がないか
✅ 以前より口臭が強くなっていないか
✅ よだれの量が増えていないか、血が混じっていないか

可能であれば、機嫌の良いタイミングでそっと口の中もチェックしてみましょう。無理にこじ開ける必要はありませんが、上唇・下唇をそっとめくってみて、歯ぐきの色や腫れ、歯石の付き具合、歯のグラつきなどを観察してみると、異変に気づきやすくなります。

舌の色や形、動きにもさりげなく注目してみてください。舌に白っぽい膜や赤い斑点、えぐれたような傷がないか、舌を出したときに左右どちらかに大きく曲がっていないか、といった点もヒントになります。

嫌がる場合は無理をせず、ストレスにならない範囲で行うことが大切です。

 

動物病院で行う検査と治療


動物病院では、まず口の中全体を丁寧に診察します。歯、歯ぐき、舌、顎の動きなどを一つひとつ確認していきます。必要に応じてレントゲン検査や血液検査を行い、麻酔下でより詳しく調べることもあります。

〈歯・歯ぐきのトラブルの場合〉

歯周病が主な原因と考えられる場合には、スケーリング(歯石除去)や、重度の歯については抜歯などの処置を行うことがあります。これらの処置によって、痛みと感染源を取り除くことで「食べにくさ」だけでなく、口臭の改善や全身状態の安定につながるケースも多く見られます。

〈顎関節や骨のトラブルの場合〉

顎関節や骨に異常が疑われ、炎症や痛みが見られるケースでは、痛み止めや抗炎症薬、顎への負担を減らすための食事形態の工夫などで、少しずつ食べやすさを取り戻していきます。骨の腫瘍などが見つかった場合には、手術や放射線治療などの治療が必要になることもあります。

〈舌や口の粘膜のトラブルの場合〉

舌や口の粘膜に炎症や潰瘍がある場合には、痛みと炎症を抑えるお薬、抗菌薬、必要に応じて特定の病気に対する治療を組み合わせていきます

当院では、高齢だからといって治療をあきらめるのではなく、体調や持病を考慮しながら麻酔リスクを抑えた治療計画を立てることが可能です。また、必要に応じてレーザー治療や鍼治療などを取り入れることで、負担の少ないサポートを行うこともあります。

 

まとめ


食べづらそうな様子は、犬や猫からのSOSかもしれません。

早めに気づき、適切な治療を行えば、痛みやストレスを減らし、再び楽しく食事ができるようになるケースも多くあります。

「こんなことで相談していいのかな」と迷われる必要はありません。日頃のちょっとした変化こそが、大切なサインです。

愛犬・愛猫の“いつもと違う”に気づいたら、どうぞお気軽にご相談ください。

 

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最終更新:2026年2月

 
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