スタッフブログ

HOME > スタッフブログ > 猫の食欲が急に落ちたら?様子を見てよい時と受診したい時の違い

猫の食欲が急に落ちたら?様子を見てよい時と受診したい時の違い

2026.06.12
猫の病気

「昨日まではご飯を普通に食べていたのに、今日はほとんど口をつけない」
「大好きなおやつにも反応しない」

猫の食欲が急に落ちると「少し様子を見てもいいのかな?」「すぐ病院へ行くべき?」と迷う飼い主様も多いと思います。

実は、猫は犬以上に“食べないこと(絶食状態)の影響を受けやすい動物です。特に半日〜1日以上ほとんど食べない状態が続くと、体への負担が急激に大きくなることがあります。

今回は、猫の食欲低下でまず確認したいポイントや「様子を見てもよい場合」と「早めに受診したい場合」の違い、ご自宅でできる工夫について解説します。

■目次

 

【即チェック】すぐ受診を考えたい危険なサイン


まずは、愛猫の今の状態を確認してみましょう。
以下の項目にひとつでも当てはまる場合は、早めの受診をおすすめします。

半日〜1日近く、ほとんど何も食べていない
ごはんだけでなく、水も飲まない
嘔吐や下痢がある
薄暗い場所に隠れて出てこない
呼吸が速い、または荒い
ぐったりして元気がない
ここ最近で急に体重が減っている

 

「様子を見てもよい場合」と「受診したい場合」の判断基準


上記のチェックリストを見ても、まだ「本当に今すぐ病院に行くべきか」と迷う飼い主様もいらっしゃると思います。

判断を分ける大きなポイントは「きっかけ(原因)がハッキリしているか」と「食欲以外の異常があるか」の2点です。

〈短時間なら様子を見てもよいケース〉

一時的な食欲低下で、以下のように「食べない理由」に見当がつく場合は、半日〜短時間であれば様子を見てもよいでしょう。

・環境の変化: 引っ越し、模様替え、来客があった
・食事の変化: フードを急に新しい種類に変えた
・体調の変化: ワクチン接種の直後で少し疲れている

これらはストレスや警戒心が原因のことが多く、水が飲めていて、呼びかけに対する反応(元気)が普段通りであれば、静かで安心できる環境を整えてあげることで自然と食欲が戻ることがあります。

〈様子を見ずに受診すべきケース〉

一方で、引っ越しもフード変更もしていない(原因がわからない)のに食べない場合や、上記のチェックリストにあったように、他の症状が伴う場合は、様子見をしてはいけません。

また「少しは口を付けているから大丈夫」と思っていても、実際には普段の1〜2割程度しか食べられていないケースもあります。
いつもの半分以下しか食べていない状態が2日以上続いている場合も、一度当院までご相談ください

 

猫は「食べないこと」自体が命に関わることがあります


猫は、食べない状態が続くこと自体が大きなリスクになる動物です。
特に注意したいのが「肝リピドーシス(脂肪肝)」という病気です。

肝リピドーシスとは、食事から十分なエネルギーが入ってこない状態が続いたときに、体の脂肪が肝臓に集まりすぎてしまう病気です。
肝臓に脂肪がたまりすぎると、肝臓が正常に働きにくくなり、重い体調不良につながることがあります。

▼肝リピドーシスについてはこちらで解説しています

特に、次のような猫では注意が必要です。

・肥満気味の猫
・普段よく食べる(食欲旺盛な)猫
・急に完全な絶食状態になった猫

猫が食べない状態が続く場合は、自己判断で様子を見すぎず、早めに動物病院へ相談しましょう。

 

年齢や体質によって「受診の目安」は変わります


同じように見える食欲低下でも、猫のライフステージや持病によって注意度は変わります。

◼︎ 子猫の場合
子猫は体が小さく、低血糖や脱水になりやすいため、半日程度でも状態が急変することがあります。
「まだ小さいから様子を見よう」は禁物です。

▶︎低血糖についてはこちらで解説しています

◼︎シニア猫(高齢猫)の場合
シニア猫の食欲低下は「年齢のせい」と思われがちですが、背景に慢性腎臓病、甲状腺の病気、消化器疾患、腫瘍(がん)などの病気が隠れているケースがあります

▼慢性腎臓病についてはこちらで解説しています

▼甲状腺機能亢進症についてはこちらで解説しています

◼︎持病がある猫の場合
糖尿病や腎臓病などの持病がある場合、食欲低下は病状悪化のサインです。
また「ごはんを食べないことで投薬ができない」「脱水が急速に進む」といった二次的なリスクも高まります。

▼糖尿病についてはこちらで解説しています

 

食欲がない時に自宅でできる工夫


元気があり、水も飲めていて、食欲が少し落ちている程度であれば、ご自宅で次のような工夫を試してみてもよいでしょう。

1. フードを少し温める(人肌程度)
猫は、食べ物の香りで食欲が刺激されることがあります。
ウェットフードやドライフードを人肌程度に少し温めると香りが立ち、食べてくれることがあります。

2. 好きなフードやトッピングを少量加える
普段のフードに、好きなウェットフードやペースト状のおやつ、犬猫用のかつお節などを少量加えてみる方法もあります。

ただし、トッピングばかり食べて主食を食べなくなることもあるため、量は少なめにしましょう。

3. 静かで落ち着ける環境で与える
同居動物やご家族の動きが気になる場所では、落ち着いて食べられないことがあります。
人の出入りが少なく、静かに過ごせる場所に食器を置いてみましょう

〈注意点〉

これらはあくまで「元気がある場合の、短時間の工夫」です。
工夫しても食べない場合や、元気がない、吐く、下痢をしている、水も飲まないといった症状がある場合は、早めに動物病院を受診してください

また、無理に口へ押し込むような与え方は、猫にとって強いストレスになり、かえって食事を嫌がる原因になることがあります。
改善が見られない場合は、自己判断で様子を見続けず、動物病院へ相談しましょう。

 

動物病院での検査と治療の流れ


動物病院ではまず、体重測定や視診、触診などを行い、猫の全身状態を確認します。
そのうえで、食欲が落ちている原因を調べるために、以下の検査を行います。

・血液検査
内臓(肝臓や腎臓など)の数値、炎症や貧血の有無を調べます。

・レントゲン・エコー検査
胃腸の異物誤飲、腫瘍、お腹の炎症などを画像で確認します。

猫が食べない原因は、胃腸炎、口内炎や歯周病による痛み、内臓の不調、ストレスなどさまざまです。
そのため、検査結果や症状をもとに、その子の状態に合わせた治療を行います。

必要に応じて、点滴で水分を補ったり、痛みや炎症を抑える治療、胃腸の働きを整える薬などを組み合わせたりしながら、食欲の回復を目指します

 

まとめ


猫の食欲低下は「少し食べないだけ」に見えても、体からのSOSであるケースが多々あります。

特に猫は、食べない時間そのものが「肝リピドーシス」という二次的な重病を引き起こすリスクがあるため、「元気そうだからあと数日様子を見よう」と先延ばしにしないことが何より大切です。

「受診した方がいい?」「一晩様子を見ても大丈夫?」と迷った段階でも構いません。気になる様子がある場合は、お電話やWEB予約からお気軽にご相談ください。

〈当院のお問い合わせ先〉

光が丘動物病院:03-3939-3760
光が丘動物病院グリーンクリニック:048-485-1191
光が丘動物病院とくまるクリニック:03-6426-8681
光が丘動物病院月島クリニック:03-6225-0990

■関連する記事はこちらです

 

光が丘動物病院グループ
東京都練馬区に本院を置き、東京都内、埼玉県で4つの動物病院を運営しています
お問い合わせはこちら

■分院名をクリックすると各院のページに遷移します
練馬本院(東京都練馬区)
川口グリーンクリニック(埼玉県川口市)
とくまるクリニック(東京都板橋区)
月島クリニック(東京都中央区)

最終更新:2026年6月

 
TOPへ戻る