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犬と猫の脳腫瘍について│けいれんや行動の変化、認知機能の変化が見られたら要注意

2023.04.14
犬の病気猫の病気

飼い犬や飼い猫に脳腫瘍があると聞くと、ショックを受けてしまう飼い主さんもいるかもしれません。
しかし脳腫瘍は早期に発見し、適切な治療を行えば、共存や克服が可能なこともある病気です。
様々な症状が現れるため、見た目だけで特定するのは難しい病気ですが、特に中高齢の犬や猫で変わった様子が見られた場合は、早めに受診することをお勧めします。

原因|原発性と転移性がある


脳腫瘍とは脳にできるがんの総称ですが、その種類は様々です。

大きく、脳にがんができる原発性と、脳以外のがんが脳に転移する転移性に分けられます。
原発性には、脳そのものにがんができる脳実質内腫瘍と、髄膜にがんができる髄膜腫瘍があります。

また、転移性は悪性リンパ腫や乳腺腫瘍、肺がん、メラノーマ、血管肉腫などから転移するとされています。
年齢は、他の腫瘍と同様、中高齢での発生が多い傾向にあります。

 

症状|けいれんなど、様々な神経症状を示す


どの部分にがんができたかで異なりますが、最も多く見られるのはけいれんです
若い犬や猫ではてんかんや脳炎などでもけいれんが見られますが、中高齢で繰り返し起こる場合は、脳腫瘍の可能性があると考えられます

また、
焦点が定まらない視力が低下する斜視、眼振など目の変化首を曲げたまま戻さないなど姿勢の変化同じところを周り続けるいつもどおりに歩けないなどの行動の変化が起こることもあります。
他にも性格が変わる、感覚が鈍る、トイレの失敗をする、耳が遠くなるなど認知機能低下症に似た症状が現れることもあります

 

診断|神経学的検査やCT、MRIによる画像診断


症状や年齢、血液検査やレントゲン検査など院内での検査の結果から脳腫瘍が疑われた場合は、CT検査やMRI検査で脳の精密検査を行います。
多くの脳腫瘍はCTやMRIで診断できますが、はっきりと区別できない場合は時期を置いて再検査することもあります。

 

治療|外科手術、放射線治療、薬物療法、代替治療など


外科手術、放射線治療、薬物療法、進行を抑えるための代替療法などがあります。
どの方法もメリット・デメリットがあるので、腫瘍の位置や大きさ、動物の状態などを考慮して、慎重に進めましょう。

腫瘍の治療についてはこちらでも詳しく解説しています

 

予防|普段と変わった様子がある場合は早めの診察を


原発性の脳腫瘍に対しての予防法はありませんが、転移性の脳腫瘍は原因となる腫瘍を予防することが長生きにつながります
例えば、乳腺腫瘍は若い頃の避妊手術が、肺がんはタバコの副流煙が原因になる可能性があるため飼育環境の禁煙が予防になりえます

犬や猫に発生する脳腫瘍は、多くが悪性とされているため、早期に発見し、早期に治療を開始する必要があります。
特に中高齢で変わった様子が見られた場合は、老化の一環と片付けずに、なるべく早めに診察に連れていらしてください。

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<参考文献>

Andrew D Miller, C Ryan Miller, John H Rossmeisl. Canine Primary Intracranial Cancer: A Clinicopathologic and Comparative Review of Glioma, Meningioma, and Choroid Plexus Tumors. Front Oncol. 2019 Nov 8;9:1151.

Mark T Troxel, Charles H Vite, Thomas J Van Winkle, Alisa L Newton, Deena Tiches, Betsy Dayrell-Hart, Amy S Kapatkin, Frances S Shofer, Sheldon A Steinberg. Feline intracranial neoplasia: retrospective review of 160 cases (1985-2001). J Vet Intern Med. 2003 Nov-Dec;17(6):850-9.

 
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