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馬尾症候群

脊椎(背骨)は部位によって頸椎(首の部分)・胸椎(胸の部分)・腰椎(腰の部分)・仙椎(おしりの部分)と呼ばれ、その中を走る脳から抹消の神経につながる神経の束、脊髄神経が通っています。

その脊髄神経の尾部方向の末端が末梢神経にかわるところを馬尾と言い、名前の由来は太い神経から細かい神経にかわる見た目が馬のしっぽに似ているためです。

この馬尾神経に障害が生じてしまう病態を馬尾症候群と言います。

馬尾症候群の原因は?

馬尾症候群の原因として、腰椎・仙椎部分の椎間板ヘルニアや靭帯の肥厚による圧迫、激しい上下運動やしっぽを強く引っ張られることによる神経の外傷、先天的に腰椎と仙椎の間が狭い寄形等が挙げられます。

先天的でなければ、若齢期からの過度な運動が徐々に尾部に負荷をかけていくことで、主に症状は高齢期にみられることが多いとされています。

馬尾症候群の症状として、後ろ足がふらつく、お尻をさわると嫌がる、しっぽに元気がない、排尿・排便時痛がるなどがみられます。

馬尾症候群の診断として、後ろ足のふらつきは馬尾症候群の他に股関節や膝関節の病気である可能性もあるため、症状からの判断に加え、レントゲンの検査、MRI検査による画像診断も必要とされます。

馬尾症候群の治療は?

馬尾症候群の治療は馬尾神経の圧迫をなくすための外科手術が行われます。症状が軽い場合は安静にし鎮痛剤の投薬の内科療法を行うこともあります。

馬尾症候群を予防するためにも、若齢期からの過度な上下運動を避け、またしっぼをつかむ等の行為はやめましょう。

馬尾症候群の症例

8歳の雄のプードル。尾が上がらない、お尻を触ろうとすると嫌がると来院されました。

触診では尾を上に挙げると嫌がる様子があり、歩行は問題ありませんでした。レントゲンでも骨には異常はありません。

馬尾症候群を疑い、内服薬にて経過をみることになりました。

数日後の再診では尾の動きも出てきて、その後しばらく内服治療を継続して大分良化がみられました。


犬の腰椎・仙椎の仕組み

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