寄生虫に感染した

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疥癬症

疥癬症(かいせんしょう)はヒゼンダニによって起こる皮膚病です。

犬、猫以外にもウサギ、フェレット、ハムスターにも見られます。

疥癬症の症状は?

接触感染が強く、激しい痒み、皮膚に赤いブツブツができ、毛が抜け、たくさんのフケが出ます。

ヒゼンダニは毛の少ない皮膚を好み、耳、肘、腹部、足根部に最も多く寄生します。

病気が進行すると毛が抜け、皮膚の大部分にダニが寄生します。

疥癬症の原因は?

ヒゼンダニという小さいダニが体表に寄生することで起こります。

ヒゼンダニは皮膚に穴を掘り、そこに卵を産み3~10日でふ化します。幼ダニは採食のために皮膚表面に穴を掘って進み若ダニになります。若ダニは採食しながら皮膚表面を移動します。成ダニになると雌ダニは皮膚に卵を産みます。この生活サイクルは3週間ほどかかります。

ダニの分泌物に対する過敏症が、激しいかゆみの主な原因です。つまりアレルギーが起こってしまいます。

このアレルギーは遅く発症するアレルギーで、感染から発症まで長い場合は3~6週間くらいかかることもあります。

免疫が弱ければ、ダニは大繁殖しやすくなります。仔犬や仔猫、老犬、病弱な子の場合は特に気を使いましょう。

疥癬症の治療は?

疥癬が疑われる場合には、皮膚の表面を専用の器具で強くこすり、皮膚の下に潜んでいるヒゼンダニを顕微鏡で確認することで診断します。

 

ダニを確認したら薬用シャンプーやダニの駆虫薬、痒みを抑えるための内服薬など、症状に応じた治療を行います。

 

疥癬症にかかってしまっていた場合には、環境衛生にも気をつけなければなりません。

ケージや首輪、リード、タオルなど接触するものは熱湯消毒をお勧めします。

 

疥癬症にかからない為にはダニ予防が大切です。普段からフィラリアの予防薬と同じように、月1回の予防薬を投与することをおススメします。

感染した犬や猫にじかに接触すると人間にも感染します。この皮膚病の犬と接触した人は皮膚科のドクターに相談して下さい。

疥癬症の症例

1歳 柴犬

耳を異常にかゆがる。

耳道内はそれほど汚れは多くないのですが、耳介部が脱毛し皮膚にかさつきがみられます。また、耳介部を触ると後肢で掻くしぐさをします。このようなしぐさを耳肢反射といって疥癬の寄生が疑われます。

耳介部の掻爬試験を行いダニは発見されませんでした(検出率は低く20%ほど)が疥癬と仮診断して治療を行いました。治療は2週ごとに殺ダニ剤を複数回投与しますが、4回行ったところでほぼ治癒が認められました。


イヌセンコウヒゼンダニ

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