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鼠径ヘルニア

動物の内臓は、通常は腹壁に守られて、あるべき位置にとどまっています。

しかし腹部に腹壁が完全にくっつき合っていない部分があると、その腹壁の「穴」から内臓がとび出し、皮膚がふくらむことがあります。これをヘルニアと呼びます。

鼠径(そけい)ヘルニアとは、後足の付け根(鼠径部)にある隙間から、腹腔内の臓器、特に小腸や腸間膜の一部がとび出した状態をいいます。

この病気は先天的な原因で起こる場合と、後天的な原因で起こる場合があります。

先天的原因

  • 生まれつきの鼠径部の異常
  • 遺伝的要因

好転定期原因

  • 外傷
  • 老齢動物での腹壁の脆弱化
  • 肥満
  • 妊娠中の腹圧の上昇など

鼠径ヘルニアの症状はヘルニアの内容や閉塞の程度により異なります

動物の多くは無症状で、鼠径部に軟らかく痛みのない膨れがみられます。ヘルニア内容は手で圧縮すると容易に腹腔内へ押し戻すことができます(帰納性)。

しかし、腸の嵌頓(かんとん)が生じた場合、あるいは妊娠子宮や膀胱がヘルニア内に含まれていた場合には、ヘルニア部分を押しても元に戻らず、色が赤くなったり、熱をもったりします。

嘔吐や腹痛に加え、脱水や排尿障害などの重篤な症状を示すこともあります。

※嵌頓・・ヘルニア内容が締め付けられてうっ血・虚血を起こした状態

鼠径ヘルニアの治療には外科手術が推奨されます

ヘルニアが帰納性であれば経過観察(大きさや症状に変化がないかを定期的に確認する)を行う場合もありますが、妊娠や過度の肥満によってヘルニアが拡大する可能性があるため、外科手術が推奨されます。

腸や子宮、膀胱といった腹腔内臓器がヘルニア内にはまり込んでいる場合は、緊急的な外科手術が必要となります。

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