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腸内環境を整えて愛犬・愛猫の健康を守る!|簡単にできる腸活の秘訣

2024.12.27
犬の病気猫の病気

腸は、食べ物の消化や吸収を担うだけでなく、全身の健康を支える非常に重要な臓器です。近年では、腸内環境を整える「腸活」が健康で長生きするためのカギとして注目を集めています。
そして、これは私たち人間だけではなく、愛犬や愛猫にとっても同じことが言えます。
しかし、「腸活が大切」と聞いても、具体的に何をすれば良いのか迷ってしまう飼い主様も多いのではないでしょうか。

今回は、犬や猫にとって腸の健康がなぜ重要なのか、腸内環境が乱れるとどのような影響があるのかをわかりやすく解説します。さらに、ご家庭で簡単に実践できる工夫についてもご紹介していきます。

■目次
1.なぜ今、腸活が注目されているの?
2.腸内環境の乱れが引き起こすもの
3.腸活に効果的な食事のポイント
4.食事や腸活食材の与え方の注意点
5.ストレスフリーな生活環境づくり
6.まとめ|早期発見・早期対応の重要性

 

なぜ今、腸活が注目されているの?


腸は単なる消化器官ではありません。
実は、全身の免疫細胞の約7割が腸に集まっているため、体全体の健康に大きな影響を与える非常に重要な臓器です。
腸内にはたくさんの腸内細菌が住んでおり、腸内細菌のバランスが腸の健康状態に深く関与しています。

腸内環境が体全体の健康にどのような影響を与えるかについては、人間の医学で以前から注目されてきました。
腸内の状態が良ければ免疫機能が正常に働き、感染症から体を守る力を発揮します。
しかし、腸内環境が乱れると、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなったり、アレルギーなどの過敏症を引き起こしたりすることがあります。

さらに、最近の人医学の研究では、腸内環境がメンタル面や性格にまで影響を与える可能性があることもわかってきました。
このように、腸内の環境を整える「腸活」は健康を維持するために欠かせないものとして広く認識されるようになっています。

そして、この腸活への関心は今や私たち人間だけでなく、犬や猫の健康にも注目が集まるようになりました。
愛犬や愛猫の健康を守るためにも、腸内環境に配慮することがますます大切だと考えられています。

 

腸内環境の乱れが引き起こすもの


便は腸の健康状態を表す大切なサインです。
腸内環境が理想的な状態であれば、健康的な便が定期的に排泄されますが、腸内環境が乱れると便秘や下痢などの消化器系のトラブルが見られます。
そのため、愛犬や愛猫の腸内環境を知るためには、毎日の排便の様子を観察することがとても大切です。

また、腸内環境の乱れが引き起こすのは、便の変化だけではありません。
腸で十分に消化吸収が行われなくなることで、体重が減ったり、食欲が低下したりすることもあります。
さらに、栄養が不足すれば健康状態が悪化し、病気にかかりやすくなるリスクも高まってしまいます。

腸内環境は全身の健康と深くつながっています。腸の不調が体全体の不調につながることも少なくありません。
そのため、毎日の便の状態や排便の頻度をしっかり観察し、小さな異変にも早めに気づけるように心がけましょう。

 

腸活に効果的な食事のポイント


腸活の基本は、バランスの良い食事、適度な運動、そしてストレスの少ない環境です。特に食事は、腸内環境を整えるために欠かせない重要な要素です。

腸内には、腸を健康に保つ「善玉菌」(乳酸菌など)、体に悪影響を与える物質を作り出す「悪玉菌」(ブドウ球菌など)、そして状況によって善玉菌にも悪玉菌にもなり得る「日和見菌」(バクテロイデスなど)が存在します。
この3つの菌のバランスが崩れると、腸内環境が乱れてしまうのです。

・良質なタンパク質を選ぶ
悪玉菌は、消化されずに大腸まで届いてしまった未消化のタンパク質を餌に増殖します。
これを防ぐためには、消化の良い良質なタンパク質を選んで与えましょう。市販のフードを選ぶ際には、原材料を確認することをおすすめします。

・食物繊維を取り入れる
食物繊維は便秘を予防し、腸内環境を整える役割を果たします。また、善玉菌の餌となる種類もあるため、積極的に取り入れると良いでしょう。
犬や猫に適した食材を選びながら、少しずつ食事に加えるのがポイントです。

・プロバイオティクスとプレバイオティクスを取り入れる
プロバイオティクスは、善玉菌そのものを含む食品やサプリメントのことを指します。
例えば、ヨーグルトや納豆が代表的ですが、愛犬や愛猫には必ず犬や猫専用のものを選んでください。人間用の食品には塩分や添加物が含まれている場合があり、体に負担をかけることがあるため注意が必要です。

一方、プレバイオティクスはオリゴ糖や食物繊維など、腸内で善玉菌の餌となる成分を含む食材やサプリメントのことです。これらは善玉菌の働きを助け、腸内環境を良好に保つサポートをします。

プロバイオティクスもプレバイオティクスも、フードに含まれている場合がありますし、サプリメントとしても市販されています。
どちらを取り入れる場合も、愛犬や愛猫の便の状態をしっかり観察しながら少しずつ試してみましょう。

 

食事や腸活食材の与え方の注意点


一度にたくさんの食事を与えたり、ひっきりなしに食事を与え続けたりすると、腸が休まる時間がなくなり、腸内環境が乱れる原因になります。
そのため、食事は規則正しく、適度な間隔を空けて与えることが大切です。

また、腸活に良いとされる食材も、与えれば与えるほど良いというわけではありません。逆に、量が多すぎると腸内環境が乱れてしまうこともあります。
腸活は無理のない範囲で、適量をコツコツと長く続けることが成功のポイントです。

さらに、腸活は短期間で目に見える効果が出るものではありません。効果が感じられるまでに時間がかかることもありますし、せっかく効果が出たとしても、そこでやめてしまうと腸内環境が再び乱れる可能性があります。継続して取り組むことが、腸内環境を良好に保つ秘訣です。

 

ストレスフリーな生活環境づくり


人間と同じように、愛犬や愛猫にとってもストレスは腸内環境を乱す大きな原因になります。そのため、適度な運動や十分な休息を取りながら、ストレスの少ない生活を心がけることが大切です。

また、トイレ環境が腸内環境に影響を与える場合もあります。
トイレが不衛生な場合や落ち着かない場所に設置されていると、排泄を我慢してしまい便秘につながることがあります。それが腸内環境の乱れを引き起こす原因になることもあるのです。
愛犬や愛猫がいつでも安心して排泄できるよう、清潔で静かなトイレ環境を整えてあげましょう。

 

まとめ|早期発見・早期対応の重要性


腸内環境は全身の健康に深く影響を与えます。
日頃から愛犬や愛猫の便の状態を観察し、バランスの取れた食事を心がけることで、腸の健康を保つことができます。腸の健康を整えることは、人間はもちろん、犬や猫にとっても健康で長生きするための大切なポイントです。

毎日のちょっとした習慣が、愛犬や愛猫の元気な未来を支える第一歩です。ぜひ、日々のケアを見直してみましょう。

 

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<参考文献>

Ueda E, Matsunaga M, Fujihara H, Kajiwara T, Takeda AK, Watanabe S, Hagihara K, Myowa M. Temperament in Early Childhood Is Associated With Gut Microbiota Composition and Diversity. Dev Psychobiol. 2024 Nov;66(7):e22542.

 
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