朝晩の空気が少しずつ涼しくなり、季節の移り変わりを感じるようになる時期が近づいてきました。実はこの「秋」という時期こそ、犬や猫にとって健康状態を見直す絶好のチャンスでもあるのをご存じでしょうか?
夏の疲れが出やすく、寒暖差によって体調を崩しやすいこの季節。さらに、冬に備えて体調を整えておくことは、これからの季節を元気に過ごすためにとても重要です。
特に「今は元気に見えるから大丈夫」と思っている飼い主様にこそ知っていただきたいのが、犬や猫の病気は症状が出にくく、気づいたときには進行していることもあるという事実です。
健康なうちに定期的なチェックを行うことが、病気の早期発見と予防につながります。
そこで今回は、秋に受けたい健康診断のポイントや、愛犬・愛猫を病気から守るためにできること、さらに光が丘動物病院で実施中・実施予定の秋の特別キャンペーンについて詳しく解説します。
■目次
健康診断というと、「病気の有無を調べるもの」と考える方が多いかもしれません。しかし、犬や猫の健康診断は単なる“異常の発見”だけでなく、「今の健康状態を把握する」ことも大きな目的です。
当院で行う健康診断では、次のような検査を通じて、体の内側までしっかりチェックします。
・血液検査:腎臓や肝臓、血糖値や炎症反応など、全身の状態を数値で確認します。
・尿・便検査:腎臓病や尿路結石、消化器の異常、寄生虫の有無などを調べます。
・レントゲン検査:心臓や肺、骨格などの構造を確認し、見た目ではわからない異常を発見します。
・超音波検査(エコー):腫瘍や臓器の形態異常、臓器の動きを確認します。
「元気だし、食欲もあるから大丈夫そう」「特に気になる症状はないから、病院に行かなくてもいいかな」そう思っている飼い主様も多いかもしれません。
しかし、犬や猫は本能的に不調を隠す動物です。たとえ病気が進行していても、目に見える変化が現れにくいため、気づいたときにはすでに重症化しているケースも少なくありません。
また、腎臓病や心臓病、糖尿病、腫瘍(がん)などは初期段階ではほとんど症状が出ないことが多いのも特徴です。たとえば腎臓病の場合、血液検査に異常が現れるまでに腎機能の約75%が失われていると言われています。
▼猫の慢性腎臓病についてはこちらで解説しています
だからこそ、「元気な今」のうちに健康診断を受けておくことがとても大切です。
犬や猫の健康診断は、年齢やライフステージによってチェックすべきポイントが異なります。それぞれの年齢に応じた検査内容や目的を知っておくと、より効果的な予防につながります。
◆ 子犬・子猫期(0〜1歳)
この時期は、先天的な異常や発育状態のチェックが主な目的です。内臓の機能が正常に発達しているか、感染症の予防接種がきちんと受けられているかを確認します。
◆ 成犬・成猫期(1歳〜6歳)
見た目も元気で体力もある時期ですが、生活習慣病やアレルギー、臓器の変化が出始める年齢でもあります。
血液検査や尿検査、画像検査(レントゲンやエコー)を定期的に行い、目に見えない異常を早期に発見することが重要です。
◆ シニア期(7歳以上)
シニア期になると、腎臓病や心臓病、関節疾患、腫瘍(がん)などのリスクが一気に高まります。特に猫は高齢になると慢性腎臓病を発症するケースが非常に多いため、定期的な血液・尿検査が欠かせません。
「年のせいかな」と見過ごされやすいサインも、実は病気のはじまりであることが多いため、半年に1回を目安に健康診断を受けることをおすすめします。
当院では、秋に合わせた健康診断キャンペーンを実施しています。この機会にぜひ、ご家族の健康チェックをご検討ください。
・9月末まで:猫キャンペーン実施中
詳しくはこちら
・10月頃実施予定:犬のアニマルドックキャンペーン
シニア期を迎えた愛犬には特におすすめです。
健康診断は「病気を見つけるため」だけのものではありません。今の健康を守り続けるための“予防”としても大切です。とくに秋は、季節の変わり目で体調を崩しやすく、感染症への注意も必要な時期です。
▼犬と猫の予防診療についてはこちらで解説しています
たとえば、次のような予防ケアは健康診断とセットで見直すのがおすすめです。
◆ ノミ・マダニ・フィラリア予防の継続
涼しくなっても、ノミやマダニ、フィラリアの予防は欠かせません。
最近では、マダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)が人にも感染し、死亡例も報告されています。
ノミ・マダニは室内でも繁殖できるため、完全室内飼育でも油断は禁物です。愛犬・愛猫、そしてご家族を守るために、通年での予防をおすすめします。
◆ ワクチンの接種の確認
混合ワクチンや狂犬病ワクチンなど、接種間隔が空いてしまっていないかのチェックも、健康診断のタイミングで一緒に見直すと安心です。とくに新しく家族になった犬猫や、シニア期の子には、免疫状態に合わせたワクチンプランの見直しも大切です。
▼狂犬病についてはこちらで解説しています
◆ 歯の健康も見逃さずに
健康診断では口腔内のチェックも行えるため、歯周病の早期発見や口臭・歯石対策につながります。必要に応じて歯石除去やホームケアのアドバイスを受けることで、全身の健康管理にも役立ちます。
秋は、気温や湿度が落ち着いて過ごしやすくなる一方で、体調の変化が表れやすい季節でもあります。症状が出てからでは、すでに病気が進行していることも少なくありません。
だからこそ、体調を崩しやすい季節の変わり目には、定期的な健康診断が安心につながります。秋のタイミングで一度体をチェックしておけば、寒くなる冬を元気に迎える準備ができます。
当院では、9月末まで猫の健康診断キャンペーンを実施中。10月以降は犬のアニマルドックキャンペーンも予定しています。
症状がなくても、健康だからこそ、今チェックしておきませんか?ご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。
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