スタッフブログ

HOME > スタッフブログ > 犬と猫の側副靭帯断裂について|愛犬・愛猫が足をあげている?

犬と猫の側副靭帯断裂について|愛犬・愛猫が足をあげている?

2024.04.19
犬の病気猫の病気

側副靭帯は関節の左右(内側と外側)にあり、関節の運動を安定させる働きを持つ靭帯です。この靭帯が断裂すると、犬や猫は損傷した側の足を持ち上げて歩くようになります。

犬や猫では側副靭帯断裂が単独で起こることは少なく、特に膝では前十字靭帯断裂など膝周囲の損傷を伴うことが一般的です
治療では断裂した靭帯を再建する外科的な治療を行います。

今回は犬と猫の側副靭帯断裂について、症状や治療方法などを解説します

■目次
1.原因|外傷やほかの関節の障害による
2.症状|足をあげる、体重をかけない、触ると痛がる
3.診断|触診やレントゲンで確認
4.治療|外科手術で断裂した靭帯を再建
5.予防|適度な運動と食事で肥満予防!関節に負担をかけないように

 

原因|外傷やほかの関節の障害による


側副靭帯断裂は、関節に大きな力がかかるような急な方向転換や、不自然な方向に力がかかるような外傷により起こります。

また、それ単独で起こるよりも、膝では前十字靭帯断裂膝蓋骨脱臼など、他の安定性を損なう組織の損傷と共に発生することの方が多い病気です。

前十字靭帯断裂:膝関節の安定性を主に支える前十字靭帯が断裂することで、側副靭帯にも異常なストレスがかかりやすくなります。
前十字靭帯断裂についてはこちらから

膝蓋骨脱臼:膝蓋骨(膝のお皿)が正常な位置からずれると、側副靭帯にも負担が大きくなり、断裂につながることがあります。
膝蓋骨脱臼についてはこちらから

 

症状|足をあげる、体重をかけない、触ると痛がる


側副靭帯が断裂すると、明確な症状が現れます。
靭帯が完全に断裂しているか、部分的なのかにより症状の重さは異なりますが、一般的な反応は以下の通りです

足を持ち上げる
断裂した側の足に体重をかけることができないため、足を地面から持ち上げた状態で歩くか、完全に使わないようにします。

体重をかけない
地面に足をつけていても、その足には体重をかけようとしません。これは歩行時だけでなく、立っている時も同様です。

痛みと腫れ
靭帯の断裂により周囲の組織に炎症が起こるため、関節が腫れます。腫れた関節は触ると痛がるため、普段よりも敏感になっている場合は炎症を疑います。

 

診断|触診やレントゲンで確認


側副靭帯の損傷を診断する際には、触診と画像診断が中心となります。
触診では、関節の動きを詳しく調べることで、側副靭帯に損傷があるかを確認します。損傷がある場合、通常よりも左右の可動性が増加することが一般的です。

さらに、レントゲン検査を通じて炎症の有無、骨の位置、及び骨折の有無を検査します。側副靭帯の断裂は、前十字靭帯の断裂など他の障害と同時に発生することが多いため、これらの点にも注意しながら慎重に検査を行います。

 

治療|外科手術で断裂した靭帯を再建


側副靭帯の損傷が軽度で他の損傷がない場合は、ギプスによる固定や運動制限で治療の経過を見ることがあります。

しかし、損傷が
重度の場合、外科手術により断裂した靭帯を再建し、手術後は運動を制限しながらリハビリテーションを行います。
また、側副靭帯だけでなく他の関節にも損傷がある場合には、それらの治療も同時に進めます。

 

予防|適度な運動と食事で肥満予防!関節に負担をかけないように


側副靭帯の断裂は多くの場合、前十字靭帯の断裂や膝蓋骨の脱臼など、他の運動器疾患と共に発生します。これらは膝の安定性を損なわせるため、早期の発見と治療、及び予防措置が重要です。

側副靭帯断裂は、主に膝関節に起こる病気です。膝への負担を減らすためには、適度な運動を心がけ、肥満を予防することが重要です。
また、滑りにくい床面を保つために、フローリングの上にマットを敷くなどの対策を取ることが有効です。
交通事故や高所からの落下など、外部からの衝撃が原因で側副靭帯が損傷することもありますので、日常生活においても注意が必要です。

 

光が丘動物病院グループ
東京都練馬区に本院を置き、東京都内、埼玉県で4つの動物病院を運営しています
お問い合わせはこちら

■分院名をクリックすると各院のページに遷移します
練馬本院(東京都練馬区)
川口グリーンクリニック(埼玉県川口市)
とくまるクリニック(東京都板橋区)
月島クリニック(東京都中央区)

 

 
TOPへ戻る