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秋のアレルギー対策|愛犬・愛猫のかゆみ・皮膚炎から守るために

2025.09.12
犬の病気猫の病気

少しずつ空気が乾き、過ごしやすい日が増えてくる秋。しかしこの時期、犬や猫にとって注意したいのが秋のアレルギーです。

「最近、耳をかくことが増えた」「足をしきりになめている」「なんだか肌が赤いかも…?」そんな変化に気づいたら、秋特有のアレルギーが関係しているかもしれません。

今回は、秋に多いアレルゲンや、犬猫に出やすい症状、動物病院での検査や治療、家庭での予防法について紹介します。

■目次

 

秋特有のアレルゲンとは?


犬と猫がかゆがっている様子と、アレルギーの原因となる植物や環境アレルゲンのイラスト。ブタクサ、ヨモギ、ダニの死骸やフン、カビの胞子、真菌などが並び、それぞれが原因として示されている。

秋は、春に比べてアレルゲンの存在を見逃しやすい季節です。しかし実際には、さまざまなアレルゲンが空気中や生活環境に潜んでいます。

例えば、秋の花粉の代表である「ブタクサ」や「ヨモギ」などは、犬猫の皮膚に炎症を引き起こす原因になります。特に草むらや河原を好んで散歩する子は、皮膚に付着した花粉からアレルギー症状を起こすこともあります。

また、ダニの死骸やフン、カビの胞子が室内に残りやすく、これらがアレルゲンとなって皮膚トラブルを引き起こすことがあります。

さらに、落ち葉や土壌に繁殖する真菌(カビの一種)も皮膚トラブルの原因になることがあります。

 

犬猫に出やすい秋のアレルギー症状


秋のアレルギーは、目に見える皮膚トラブルとして現れることが多く、以下のような症状が代表的です。

◆ 皮膚の症状
赤み、かさつき、ベタベタ感、かさぶた、脱毛、フケ、湿疹など。お腹や足先、脇の下など毛の薄い部分に出やすい傾向があります。

◆ 耳の症状
耳の中に炎症が起きると、かゆみや耳垢の増加、頻繁に頭を振る・後ろ足で耳をかくなどの行動が増えます。

◆ 消化器症状
下痢や嘔吐といった胃腸トラブルが、アレルギーによって引き起こされる場合もあります。食物アレルギーがある場合、秋の気温変化やストレスがきっかけで悪化するケースもあります。

かゆみが慢性化すると、掻き壊しによる感染や二次的な皮膚炎に発展することもあるため、早めの対処が重要です。

 

自己判断は危険!見分けにくい皮膚炎の原因


皮膚が赤い=アレルギーとは限りません。実際には、以下のようなさまざまな病気がアレルギーと似た症状を示します。

・ノミ・ダニなどの寄生虫感染
・皮膚の細菌・真菌感染症
・ホルモン異常(甲状腺機能低下症、クッシング症候群など)
・アトピー性皮膚炎や脂漏症

これらの原因を見分けるのは非常に難しく、見た目やかゆみの程度だけでは正確な判断はできません。

「いつもの湿疹だと思っていたら、実は別の病気だった」というケースも珍しくないため、気になる症状が出たら早めに動物病院を受診することが大切です。

 

動物病院での検査と診断方法


当院では、愛犬・愛猫の皮膚や耳の状態を正確に把握するために、以下のような検査を行います。

・皮膚の掻き取り検査:表面の細胞を顕微鏡で調べ、寄生虫や真菌の有無を確認。
・テープ検査:皮膚に貼ったテープで細胞や汚れを採取し、炎症や細菌の有無をチェック。
・耳垢検査:耳の中の状態を確認し、感染症の原因を特定。
・アレルギー検査:血液検査により、花粉や食物などの反応を調べる。
・食事制限試験:アレルゲンの特定を目的とした除去食試験。

これらの検査結果をもとに、体質や生活環境に合わせた治療・予防プランを立てていきます。

 

治療方法


診断結果に応じて、以下のような治療を組み合わせて行います。

内服薬:抗ヒスタミン薬、ステロイド、免疫抑制剤など。
外用薬:保湿ローション、消炎作用のあるシャンプー、軟膏。
定期的な通院での経過観察と処方薬の調整

また、体質改善や免疫力の向上を目的としたサプリメントや、必要に応じて食事療法を取り入れる場合もあります。

 

自宅でできる秋のアレルギー対策


秋のアレルゲンは完全に避けるのが難しいため、日常生活の中でのケアがとても大切です。

◆ 食事管理
アレルギー体質が疑われる子には、低アレルゲンフードや療法食を取り入れることで、症状の悪化を防げる場合があります。獣医師の指導のもと、フードの見直しを行うことが効果的です。

◆ 清潔な生活環境
ベッドやカーペットはこまめに洗濯・掃除し、空気清浄機や除湿機を活用してダニやカビの繁殖を抑えましょう。

◆ 散歩後のケア
外出から帰ったあとは、足やお腹を濡れタオルで拭いて花粉や汚れを落とすようにしましょう。また、花粉が多い日や湿った草むらでの散歩はできるだけ避けることで、皮膚への刺激やアレルギー反応を防ぐことができます。

 

まとめ


秋は、気温や湿度の変化により、犬や猫の皮膚や耳にさまざまなトラブルが起きやすい季節です。特にアレルギー体質の子にとっては、花粉・カビ・ダニなどの環境要因が症状を悪化させる原因になります。

「かゆみ」「赤み」「フケ」など気になるサインがあれば、自己判断せず、早めに動物病院にご相談ください。

 

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