「今までちゃんとトイレでできていたのに、急に粗相するようになった」
「布団やカーペットにおしっこをしてしまうようになった」
そんな変化に戸惑い、不安に感じている飼い主様も多いのではないでしょうか。
猫の粗相は「しつけの問題」と思われがちですが、実際には体の不調や環境の変化が関係していることが多い行動です。
特に今まで問題なくできていた猫が急に粗相をするようになった場合は、何らかの原因が隠れている可能性があります。
今回は、猫が急に粗相をするようになったときに考えられる原因と、受診の目安、ご自宅でできる見直しポイントについて分かりやすく解説します。

■目次
まずお伝えしたいのは、粗相の中には緊急性の高いケースが含まれるという点です。
以下のような様子が見られる場合は、様子見をせず、できるだけ早く動物病院を受診してください。
・何度もトイレに行くのに、ほとんど尿が出ていない
・血が混じった尿や濁った尿が出ている
・トイレ中に鳴く、痛がる様子がある
・元気がない、食欲が落ちている
・オス猫で尿がまったく出ていない
特にオス猫の尿が出ない状態は「尿道が詰まっている(尿路閉塞)」可能性があり、命に関わる緊急事態です。この状態は数時間〜1日で命に関わることもあるため、すぐに受診が必要です。
猫の粗相で最も注意したいのが、病気が原因になっているケースです。
たとえば、以下のような病気があります。
🔸膀胱炎
膀胱炎になると、何度もトイレに行くのに少量しか出ない、痛みでトイレを避ける、といった行動が見られることがあります。
▼膀胱炎についてはこちらで解説しています
🔸尿路結石(尿石症)
尿石症(結石)がある場合も、排尿時に強い違和感や痛みがあり、トイレ以外の場所でしてしまうことがあります。
▼尿路結石についてはこちらで解説しています
🔸慢性腎臓病
尿の量が増えるため、トイレまで間に合わず粗相につながることがあります。
▼慢性腎臓病についてはこちらで解説しています
🔸糖尿病
水をたくさん飲むようになり、結果として尿量が増えて失敗することがあります。
▼糖尿病についてはこちらで解説しています
さらに、高齢の猫では筋力の低下や関節の痛み、認知機能の変化が影響して、トイレに行くこと自体が難しくなることもあります。
このように、粗相は体の不調のサインとして現れることが多いため、まずは病気の可能性を考えることが大切です。
猫はとても環境の変化に敏感な動物です。
そのため、ストレスが原因で粗相をすることも珍しくありません。
たとえば、次のような変化はありませんか?
・引っ越しや模様替えをした
・来客があった
・新しい家族(人や動物)が増えた
・トイレの場所を変えた
・大きな音や生活リズムの変化があった
このような場合、粗相は「嫌がらせ」ではなく、不安や緊張の表れです。
原因となっているストレスを見つけてあげることが改善の第一歩になります。
意外と多いのが、トイレ環境が原因で起こる粗相です。
猫はとてもきれい好きで、トイレに対して強いこだわりを持っています。
そのため「トイレでできない」のではなく「したくない」と感じているケースもあります。
以下のようなポイントを見直してみてください。
・トイレの数が足りていない
・砂の種類や感触が気に入らない
・トイレが汚れている
・人通りが多く落ち着かない場所にある
・シニア猫にとって出入りがしにくい高さ
猫の排尿トラブルでは「粗相」と「マーキング」を混同しやすいため、ここで整理しておきます。
粗相は、通常の排尿がうまくできない状態です。
床や布団などに比較的まとまった量の尿をし、しゃがんで排尿するのが特徴です。
回数が増えることも多く、病気が関係しているケースが多いです。
一方、マーキングは縄張りを主張する行動です。
壁や家具などに少量の尿をかけるようにし、立ったまま尻尾を上げて行うのが特徴です。
発情やストレス、環境の変化が関係しています。
見た目や行動である程度見分けることができますが、判断が難しい場合は動物病院で相談することをおすすめします。
粗相に気づいたときは、すぐに環境の見直しも行ってみましょう。
・トイレの数を増やす(頭数+1)
・砂の種類や清潔さを見直す
・静かで安心できる場所に設置する
・シニア猫には低めのトイレを用意する
・ストレスの原因をできるだけ減らす
こうした工夫はとても大切ですが、注意したいのは、対策だけで様子を見続けないことです。
特に急に粗相が始まった場合は、まず病気の有無を確認することが優先です。
猫の粗相は、単なるしつけの問題ではなく、体の不調や環境の変化、ストレスなど、さまざまな原因が関係しています。
特に急に始まった場合は、膀胱炎や尿路結石などの病気が隠れていることもあり、早めの受診がとても重要です。
また、トイレ環境や生活環境を見直すことで改善するケースも多いため「なぜ起きているのか」を一つひとつ丁寧に考えていくことが大切です。
「いつもと違う」と感じたその気づきは、愛猫を守る大切なサインです。気になる様子があれば、無理に様子を見続けず、当院までお気軽にご相談ください。
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最終更新:2026年5月