日本獣医生命科学大学出身で、卒業後からずっと光が丘動物病院グループに勤めています。なので、もう勤務して14年目になりますね。現在は光が丘動物グループ病院総院長を務めています。
動物医療に携わるものすべての者に共通する考えかと思いますが、動物たちを助けたい、それが今だに揺るがない本質です。長年獣医療に携わっていると段々とその想いは変わっていくかもしれません。だからこそ、胸を張って言いたい。何のために獣医をしているのか、それは、動物を助けるため。常に初心に帰り、その子その子のためにできることを常に考え続けています。
動物たちは話すことができません。そのため、獣医療では患者である動物たちを私たちが診察しますが、検査や治療の相談はすべて飼い主様とやりとりをします。飼い主様がどれほどにその子のことを思ってらっしゃるのかをお聞きし、その子の状態がどれほどであるのかわかりやすく丁寧にご説明します。治療も飼い主様の力があってこそ。動物だけでなく、飼い主様の気持ちにも寄り添い、一緒にその子その子のためにできることを一緒に考えていく、そんな医療を提供しています。
獣医師になるのは中学生くらいの頃からの夢でした。4浪の末念願の獣医大に入学できた時は感慨は一塩でした。獣医療とは人の医療と同じく、命を扱う仕事と考えています。命を扱う仕事はそう世の中にあるものではありません。正直責任は重く、精神的に苦しむ時も一度や二度の数ではありませんでした。ただ、それでも飼い主様に“ありがとう”と言ってもらえる有難さ。それに勝るものはないと思います。大変な仕事ではありますが、それ以上にやりがいのある、胸を張れる素晴らしい仕事だと思います。
何よりも命を救えなかった時の無力感、力不足はいまだに忘れる事はできません。あの時の、あの判断が、結果的にどう言う結果であったのか、成功した時でも常に考えるようにしています。問題が起こった時は常にさまざまな角度から検証し考察します。そしてそれを必ず次に活かす。ミスは誰にでも起こるものです。ただ我々獣医師のミスは命に直結することも多い。その責任感をどうプラスに活かしていくかが個人だけでなく組織として本当に大事なことなのだと考えています。
当グループでは新入社員用の教育制度を設けています。先輩の背中を見て覚えるといった昔ながらの教育ではなく、綿密にスケジュールされた教育計画を元に教育を受けてもらいます。獣医師であれば、新人さんでも夏前には診察に出てもらいます。経験者や既存のスタッフには獣医師・看護師共にスキルブックというものがあり、それを元に成長段階に応じた内科・外科のスキルアップを図ってもらっています。やる気次第で数ヶ月で難症例の対応ができるようになるなど、本人の意識次第では急成長も可能かと思います。
私が当院のスタッフに思っている事は一つ、当院で働いて良かったと思ってもらうこと。労働状況の改善、獣医療のスキルアップなど様々な面から当院で働いてもらうメリットを試行錯誤しながら日々アップデートしています。やればやるだけ結果が出る、そんな環境づくりを常に考えています。グループ病院のため院により個性はさまざまですが、基本的な環境は同じクオリティーを意識しています。私もまだまだ発展途上のため、後輩に教えを乞うこともよくあります。互いに切磋琢磨しながら、最善の獣医療を提供できる環境で共に働きましょう!